校長ブログ

scroll

学校再開にあたり

 

6月1日(土)からの学校再開に向けて5月29(金)、29日(土)と2日に分けて学年分散、時差登校によるガイダンスを行いました。例年だと1年生は新入生登校日、入学式に保護者と一緒に登校します。しかし今年度はいきなり生徒だけでの登校となりました。登校してくる生徒の姿は1年生に限らず全学年とも不安と期待の入り混じった表情が見て取れました。しかしながら下校するときの表情は登校時と打って変わり、新しい友人と共に談笑しながら帰る様子も見られました。この様子を見ながら私も学校が再開することにワクワクする気持ちはあるが、そのワクワクは決して生徒と一緒ではないということを実感しました。それは手放しでの喜びと違い、感染のリスクを背負いながらの学校再開に不安と緊張の目で生徒を見守っているのだということです。
更にこのような状況下で改めて学校の存在意義についても考えさせられました。生徒及び保護者は新学期に向けて希望に満ちた時期となるはずが、外出の自粛を強いられ、苦しい毎日を過ごしていたことと思います。また、特に3年生は部活動の大会が続々と中止になったことへの喪失感や入試対応についてスタートが遅れるのではないかと大きな不安を抱えていたことと思います。本校は4月よりオンライン授業の実施に取り組み、生徒の学習対応をしてきましたが、それでも生徒の学習意欲の向上や学力の定着につながったかはこれからの検証を待つしかありません。また、生徒の生活習慣・学習習慣やコミュニケーション・コミュニティーの確立ができず、家庭でのご苦労も多々あったのではないかと思います。改めて学校の役割は学力の向上だけではなく、社会と共に生活するためのコミュニケーションやコミュニティーを作るという重要な役割があるのだと痛感しました。それは新たな友人と笑顔で話す生徒の姿に改めて教えられた気がします。ICTを始めとする先端技術の利活用をしながら、新しい学校の形を模索する上において、やはり対面での人と人のかかわりが生徒を成長させるためには重要なのだということを忘れてはいけないのだと思います。今後も建学の精神・柏葉の精神に基づきトータルバランスの取れた人間味あふれる生徒の育成に努め、本校の存在意義を高めていきたいと思います。

<以下、ガイダンスに当たり生徒に話した内容の一部です。>
この新型コロナ感染の収束は今だに目途が立ちません。この状況は学校生活はもとより日本経済を揺るがす国難ともいえます。日本だけでなく世界が一丸となって取り組まなければならない危機です。日本はロックダウンではなく「要請」ということです。こういう時こそみなさんのモラルが問われるのです。パンデミックへの対応では日本人のモラルの高さが世界に注目されています。みなさんも危機意識を高め、自分のため、家族のため、そして大切な人の命を守るという観点から今後も感染予防に十分努めて下さい。
この問題を克服したとき、今回のパンデミックから学んだことを活かして日本を始めとした世界が大きく変わると思います。その変化する未来を見据えて「今」をしっかり生きることが大切です。
勉強、部活動、新しい友人など本校の学びを通してみなさんの高校生活が楽しく、充実したものとなるよう願っています。