私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「生物研究(3年普通科特進選抜理コース)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科・3年・J組

1 学習の目標,評価の観点,内容及び評価方法

学習の目標
生物や生物現象に関わり,観察・実験などを通して,生物や生物現象を科学的に
探究するために必要な資質・能力を以下のように育成する。
・生物学の基本的な概念や原理・法則の理解を深め,科学的に探究するために必
要な観察,実験などに関する基本的な技能を身に付ける。
・観察,実験などを通して,科学的に探究する力を養う。
・生物や生物現象に主体的に関わり,科学的に探究しようとする態度と,生命を
尊重し,自然環境の保全に寄与する態度を養う。
・一般選抜型入試に対応できる能力を養う。

育成する資質能力
「思考力」「判断力」「表現力」
学校ルーブリック項目
「向上心」「自律」「自己肯定感」「友愛」「創造性」「社会貢献」
「思考力」「判断力」「表現力」「人間関係力」

評価の
観点
知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に
取り組む態度
評価の
内容
生物学の基本的な概念や原理・法則の
理解を深め,科学的に探究するために
必要な観察,実験などに関する技能が
身に
付いた
か。
自然の事物・現象の中に問題を見いだ
し,見通しをもって観察,実験などを
通し
て,科学的に探究する力が身に付いた
か。
自然の事物・現象に主体的に関わり,
科学
的に探究しようとする態度と,生命を
尊重
し,自然環境の保全に寄与する態度が
身に
付いたか。
評価
方法
定期考査
定期考査・提出物など
提出物など
配分
	
60%
20%
20%

2 学習計画・使用教材

学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)



第8章 動物の反応と行動
1.刺激の受容と反応
①刺激の受容と反応
②神経系とニューロン
③ニューロンによる電気的な信号の生成
とそ
れを伝えるしくみ
④受容器
⑤中枢神経系の構造と反応
⑥効果器




































2.動物の行動
①動物の行動
②生得的行動
③習得的行動と学習




















第9章 植物の成長と環境応答
1.植物と環境
①植物の刺激の受容と情報の伝達


2.植物の一生と植物ホルモン
①被子植物の受精と胚発生
②種子の発芽と光環境
③植物の環境応答と成長
④花芽形成と花の形成
⑤果実の成長と成熟,落葉・落果
・動物は受容器で刺激を受容し,中枢神
経系を経て効果器に情報を伝えること
で,刺激に対して反応していることを理
解し
ます。
・ニューロンの構造について理解しま
す。
・有髄神経繊維の構造について理解しま
す。
・ヒトの神経系の構成について理解しま
す。
・静止電位が生じるしくみを理解しま
す。
・活動電位が生じるしくみを,チャネル
の働きとイオンの流れと関連づけて理解
します。
・全か無かの法則について理解します。
・刺激の強さに応じて,感覚の強さが変
化するしくみを理解します。
・跳躍伝導のしくみを理解します。
・シナプスを介した興奮の伝達を,チャ
ネルとイオンの動きから理解します。
・シナプス後電位の加重について理解し
ます。
・ヒトの各受容器に対する適刺激を理
解します。
・刺激が中枢に伝わる過程とその特徴に
ついて理解します。
・眼の構造について理解します。
・桿体細胞と錐体細胞の分布や,吸収す
る光の特徴を理解します。
・明順応と暗順応におけるロドプシンの
分解と合成について理解します。
・眼の遠近調節における水晶体の厚さの
変化について理解します。
・耳の構造と聴覚が生じるしくみを理解
します。
・平衡覚が生じるしくみを理解します。
・嗅覚が生じるしくみを理解します。
・脳の構造と各領域の働きを理解しま
す。
・シナプス可塑性による記憶の形成につ
いて理解します。
・脊髄の構造について理解します。
・反射のしくみと反射弓について理解し
ます。
・骨格筋の構造を理解します。
・筋収縮において,フィラメントが滑り
込む
しくみについて理解します。

・生得的行動と習得的行動の特徴を,神
経回路の変化の有無の違いから理解しま
す。
・かぎ刺激によって特定の行動が引き起
こされることを理解します。
・固定的動作パターンについて理解しま
す。
・バッタの飛翔に関わるCPGのモデルを
もとに,リズミカルな運動が生じるしく
みを理解しま
す。
・アメフラシの慣れ,脱慣れ,鋭敏化の
しくみについて理解します。
・古典的条件付けについて理解します。
・刷込みや臨界期について理解します。
・試行錯誤と知能行動について理解しま
す。

・植物ホルモンの特徴について理解しま
す。
・植物体内での物質輸送のしくみについ
て理解します。

・被子植物の配偶子形成と重複受精につ
いて理解します。
・被子植物の胚発生の過程を理解しま
す。
・頂端-基部軸が形成されるしくみを理
解します。
・種子形成の過程について理解します。
・種子の休眠と発芽には植物ホルモンが
関与することを理解します。
・光発芽種子における発芽と光の関係に
ついて理解します。
・フィトクロムの働きと光発芽の関係を
理解します。
・光発芽のしくみにより,光発芽種子を
つくる植物は生育に適さない光環境で発
芽しないようになっていることを理解し
ま
す。
・植物細胞の成長において,オーキシン
が作用するしくみを理解します。
・オーキシンが極性移動することを理解
しま
す。
・植物の屈性と傾性がどのような現象か
を理解します。
・オーキシンの移動による屈性のしくみ
を理解します。
・光屈性にはフォトトロピンが関わるこ
とを理解します。
・重力屈性のしくみを理解します。
・光屈性に関する研究史について理解し
ま
す。
・気孔の開閉のしくみを理解します。
・光周性について理解します。
・花芽形成には連続した暗期が必要であ
ることを理解します。
・花芽形成に関わる光受容体について理
解します。
・花芽形成を促進するタンパク質の働
きについて理解します。
・春化について理解します。
・ABCモデルにもとづく花の形成につい
て理解します。
・植物のホメオティック突然変異体を,
ABCモデルと関連づけて理解します。
・果実の成熟や落葉,落果と植物ホルモ
ンの関係を理解します。
中間考査





































































期末考査



第10章 生態系のしくみと人間の関わり
1.個体群と生物群集
①個体群とその特徴
②個体群の変動と維持
③個体群内の相互作用
④個体群間の相互作用
⑤多様な種が共存するしくみ





























2.生態系の物質生産と消費
①物質生産
②物質とエネルギーの移動



















3.生態系と人間生活
①生態系と生物多様性
②人間活動と生態系の変化
③生物多様性の保全とその意義
・個体群と相互作用について理解しま
す。
・個体の分布様式,およびそれぞれがど
のような生活に適しているのかを理解し
ます。
・標識再捕法について理解します。
・生存曲線について理解します。
・年齢ピラミッドについて理解します。
・最終収量一定の法則や相変異などを例
に,個体群密度が,個体や個体群に影響
を与えることを理解します。
・環境と個体群の変動の大きさとの関係
について理解します。
・群れや縄張りの大きさが決まるしくみ
を理解します。
・順位制やつがい関係,共同繁殖,社会
性昆虫について理解します。
・血縁度と包括適応度の考え方を理解し
ます。
・捕食者と被食者の個体数変動を理解し
ます。
・共生および寄生の関係を理解します。
・ニッチの概念を理解します。
・種間競争による競争的排除のしくみを
理解します。
・間接効果について理解します。
・ニッチの分割による多様な種の共存を
理解します。
・基本ニッチと実現ニッチの比較から,
競争の有無や程度がわかることを理解し
ます。
・形質置換について理解します。
・中規模撹乱説について理解します。
・キーストーン種が多種の生物の共存を
可能にするしくみを理解します。

・生態系における物質生産について理解
します。
・生産構造図について理解します。
・植物群集ごとに特徴的な生産構造を示
すことを理解します。
・生態系によって物質生産の特徴が異な
ることを理解します。
・生態系内における炭素の循環を理解し
ます。
・物質収支について理解します。
・エネルギーは生態系内を一方向に移動
しますことを理解します。
・エネルギー効率について理解します。
・栄養段階が上がるごとに個体数が減少
することを,利用できるエネルギー量と
関連
づけて理解します。
・生態系内における窒素の循環を理解し
ます。
・窒素同化と窒素固定の違いを理解しま
す。
・脱窒について理解します。

・生物多様性の3つのとらえ方を理解し
ます。
・生息地の分断や乱獲,地球温暖化,海
洋汚染,外来生物の侵入などを例に,人
間活動が生態系に及ぼす影響について理
解し
ます。
・個体群の大きさの縮小により絶滅の危
険性が高まることを理解します。
・生態系サービスにはどのようなものが
あるかを理解します。
・私たちの生活と生態系との関わりか
ら,生物多様性を保全することの重要
性を認識します。
中間考査



































期末考査



なし
なし
なし

使用教科書
第一学習社『高等学校 生物』
副教材
第一学習社『スクエア最新図説生物neo』
東京書籍『ニューグローバル生物基礎・生物』

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
理科は暗記科目ではありません。ある現象を覚えるためには,そのしくみや原因・背景を
「理解」す
ることが大切です。そのため,授業中は,「流れ」を意識して学ぶようにしましょう。ま
た,復習を
欠かさないようにし,配付されたプリントや副教材を有効に活用してください。そして,
納得できな
い箇所については,担当教員に質問してください。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
日常生活で生物に関係することで疑問を感じたこと,授業内容で不明な点があれば,その
ままにせず
に積極的に質問してください。
その他のアドバイス
授業で取り扱った事項については,インターネット検索などを利用したり,図書館の本を
利用して調
べたりしてより深い知識を得るよう積極的に行動してください。生物は日常見られる事柄
に密接に関
係しています。学んだ事柄を思い出し理解を深めてください。