私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「生物基礎(1年普通科総合進学コース)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科・1年・A~E組

1 学習の目標,評価の観点,内容及び評価方法

学習の目標
・日常生活や社会との関連を図りながら,生物や生物現象について理解するとと
もに,科
学的に探究するために必要な実験などに関する基本的な技能を身につける。
・実験などを通して,生物を身近に感じるようにする。
・生物や生物現象に主体的に関わり,科学的に探究しようとする態度と,生命を
尊重し,
自然環境の保全に寄与する態度を養う。

育成する資質能力
「思考力」「判断力」「表現力」
学校ルーブリック項目
「向上心」「自律」「自己肯定感」「友愛」「創造性」「社会貢献」
「思考力」「判断力」「表現力」「人間関係力」

評価の
観点
知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に
取り組む態度
評価の
内容
生命現象について理解を深め,科学的
に探
究するために必要な実験などに関する
技能
を身に付けているか。
自然の事物・現象の中に問題を見いだ
し,
見通しを持って実験などを行い,科学
的に
探究する力を身に付けているか。
自然の事物・現象に主体的にかかわ
り,科
学的に探究しようとする態度を身に付
けて
いるか。
評価
方法
定期考査
定期考査・提出物など
授業態度・提出物など
配分
60%
20%
20%

2 学習計画・使用教材

学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)



第1章 生物の特徴
1.生物の共通性
①生物の多様性と共通性
②生物の共通性の由来

2.生物とエネルギー
①生物とエネルギー
②代謝とATP
③代謝と酵素

















第2章 遺伝子とその働き
1.遺伝子の本体と構造
①遺伝情報とDNA
②DNAの複製と分配

2.遺伝情報とタンパク質
①遺伝情報とタンパク質
②転写と翻訳
③遺伝子とゲノム
・地球上のさまざまな環境には,多種多
様な
生物が生息しており,生物は多様である
こと
を理解します。
・共通の祖先が長い年月の間に変化し
て,生
物が多様化したことを理解します。
・原核細胞と真核細胞でそれぞれみられ
る特
徴を理解します。また,真核細胞におい
て,
核・細胞膜・細胞質基質・ミトコンドリ
ア・
葉緑体・液胞・細胞壁の機能の概要を理
解し
ます。
・現生生物の共通祖先について,推測さ
れる
特徴を理解します。
・代謝には同化と異化があること,ま
た,代
謝に伴うエネルギーの移動にはATPが関
わっ
ていることを理解します。
・光合成は,光エネルギーによってATP
をつ
くり,このエネルギーによって有機物を
合成
する過程であることを理解します。
・呼吸は,酵素の働きによって有機物が
段階
的に分解されてエネルギーが取り出さ
れ,
ATPがつくられる過程であることを理解
しま
す。
・酵素の基本的な特徴について理解しま
す。


・遺伝子とDNAと染色体の関係について
理解
します。
・多細胞生物では,一部の細胞が分裂し
て増
殖していること,分裂している細胞には
細胞
周期がみられることを理解します。
・間期の間にDNAが複製され,細胞分裂
を通
じて均等に分配されることで,細胞分裂
の前
後で遺伝情報の同一性が保たれることを
理解
します。
・細胞の分裂の各過程で起こる現象を理
解し
ます。
・生体内には多種多様なタンパク質が存
在
し,酵素などとしてさまざまな働きをし
てる
ことを理解します。
・タンパク質は,多数のアミノ酸が鎖状
につ
ながってできたものであることを理解し
ま
す。
・DNAの塩基配列がmRNAの塩基配列に写
し取
られ(転写),これがアミノ酸配列に置
き換
えられる(翻訳)という流れを理解しま
す。
・遺伝子はゲノムの一部であることを理
解し
ます。
・全遺伝子が常に発現しているのではな
く,
細胞によって発現する遺伝子が異なって
いる
ことを理解します。
中間考査

























期末考査



第3章 ヒトのからだの調節
1.情報の伝達と体内環境の維持
①恒常性と神経系
②恒常性と内分泌系
③体内環境を調節するしくみ
④血液凝固

2.免疫
①生体防御
②自然免疫
③獲得免疫
④自然免疫と獲得免疫の特徴
⑤免疫と生活
































第4章 植生と遷移
1.植生と遷移
①植生と環境の関わり
②遷移のしくみ

2.バイオーム
①遷移とバイオーム
・恒常性と体液の種類である血液,組織
液,
リンパ液について理解します。
・脳幹の働きと,脳死がどのような状態
であ
るのかについて理解します。
・自律神経系には交感神経と副交感神経
があ
り,これらが拮抗的に働くことによって
体内
環境を調節していることを理解します。
・心臓の拍動数が意思とは無関係に調節
され
ていることを理解します。
・内分泌系による体内環境の調節の特徴
につ
いて理解します。
・ホルモン分泌のフィードバック調節に
つい
て,チロキシンの分泌調節を例に理解し
ま
す。
・糖尿病の原因と症状について理解しま
す。
ま
た,糖尿病で尿中にグルコースが排出さ
れる
原因を理解します。
・体温調節のしくみについて理解しま
す。
・血液凝固のしくみと体内環境の維持と
の関
係について理解します。

・皮膚や粘膜による生体防御について理
解し
ます。
・免疫を担う細胞や器官の種類と働きの
概要
を理解します。
・自然免疫のしくみを理解します。
・抗体の特徴について理解します。
・リンパ球による抗原認識,免疫寛容の
しく
みを理解します。
・獲得免疫は自然免疫によって誘導され
るこ
とを理解します。
・獲得免疫による病原体排除の流れを理
解し
ます。
・二次応答や拒絶反応が起こるしくみを
理解
します。
・自然免疫と獲得免疫の特徴を理解し,
お互
いに活性化し合って病原体を排除するこ
とを
理解します。
・アレルギーや自己免疫疾患,エイズな
ど身
近な免疫に関する疾患の生じるしくみを
理解
します。
・免疫のしくみを用いている予防接種や
血清
療法のしくみを理解します。また,近年
では
抗
体医薬が用いられていることを理解しま
す。


・植生は,相観によって森林・草原・荒
原に
大別されることを理解します。
・森林の土壌の特徴を理解します。
・森林には階層構造がみられ,階層によ
って
光などの環境が異なることを理解しま
す。
・光の強さと光合成速度の関係を,グラ
フを
通じて理解します。
・陽生植物,陰生植物の光合成速度の特
徴を
理解します。
・植生は不変ではなく,遷移しているこ
とを
理解します。
・乾性遷移のモデルについて,土壌の形
成や
光環境の変化などの環境形成作用に注目
して
理解します。
・極相林にはさまざまな大きさのギャッ
プが
存在し,その大きさによってギャップを
埋め
る樹種が変わることがあることを理解し
ま
す。
・湿性遷移,二次遷移について理解しま
す。

・バイオームの概念を理解し,陸上には
その
地域に生育する植物を基盤としたさまざ
まな
バイオームが成立することを理解しま
す。
・地球上には,それぞれの場所に適応し
た植
物が生育し,いろいろなバイオームが成
立し
ていることを理解します。
・日本におけるバイオームの水平分布と
垂直
分布を理解し,各バイオームの特徴的な
植物
種を理解します。
中間考査












































期末考査



第5章 生態系とその保全
1.生態系と生物の多様性
①生態系の成り立ち
②生態系における生物どうしの関わり

2.生態系のバランスと保全
①生態系の変動と安定性
②人間活動による生態系への影響とその
対策
・生態系の構成について理解します。
・地球上には,陸上以外にもさまざまな
生態
系がみられることを理解します。
・生物は,食物連鎖(食物網)によって
つな
がっていることを理解します。
・キーストーン種によって生態系のバラ
ンス
が保たれている場合があることを理解し
ま
す。
・食物連鎖を通じて間接的に他の生物に
影響
を与えることがあることを理解します。
・生物の個体数や量は,常に一定の範囲
内で
変動しながらバランスが保たれているこ
とを
理解します。
・生態系には復元力があるが,復元力を
超え
るような撹乱が起こった場合には,以前
とは
異なる状態に移行することを理解しま
す。
・人間活動が生態系にさまざまな影響を
与え
ていることを理解します。
・人間活動に伴う二酸化炭素の排出が原
因と
考えられている,地球温暖化について理
解す
る。
・自然に対する人間の働きかけの縮小が
里山
などの生態系へ与える影響について理解
しま
す。
・開発による生態系への影響と,生息地
の分
断による影響を軽減する取り組みや,環
境ア
セスメントの必要性について理解しま
す。
・絶滅危惧種と人間活動との関係につい
て理
解します。
・絶滅危惧種に対する具体的な保全の取
り組
みについて理解します。
・人間は,生態系からさまざまな恩恵を
受け
ており,それを受け続けるためには生態
系を
保全する必要があることを理解します。

学年末考査

使用教科書
第一学習社 『高等学校 生物基礎』
副教材
第一学習社 『標準セミナーノート生物基礎』

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
理科は暗記科目ではありません。ある現象を覚えるためには,そのしくみや原因・背景を
「理解」す
ることが大切です。そのため,授業中は,「流れ」を意識して学ぶようにしましょう。ま
た,復習を
欠かさないようにし,配付されたプリントや副教材を有効に活用してください。そして,
納得できな
い箇所については,担当教員に質問してください。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
日常生活で,生物に関係することで疑問を感じたこと,授業内容で不明な点があれば,そ
のままにせ
ずに積極的に質問してください。
その他のアドバイス
授業で取り扱った事項については,インターネット検索などを利用したり,図書館の本を
利用して調
べたりしてより深い知識を得るよう積極的に行動してください。生物は日常見られる事柄
に密接に
関係しています。学んだ事柄を思い出し理解を深めてください。