私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

地理歴史科 「日本史研究(3年普通科特進選抜文コース)」  単 位 数 6 単 位
学科・学年・組
普通科・3年・I組(選択者)

1 学習の目標,評価の観点,内容及び評価方法

学習の目標
①歴史的事件がなぜ発生したのか,それによってどんな影響があったのかなどと
考えることによって,物事を経過を追いながらとらえ,論理的に思考できるよう
にする。
②「未来への手がかり」が「過去に学ぶ」ことによって得られることを理解す
る。
③どのようにして歴史を勉強していけばよいのか(「歴史の学習法」)を身につ
ける。
④歴史に関する知識を増やすとともに,これらが各自の進路目標決定の一助とな
るようにする。
⑤我が国の伝統文化に対する関心を高める。
⑥今日我が国が抱える問題がどのような歴史的事象に起因しているのかを理解さ
せ,国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養う。
⑦難関大学の入試問題に対応できる力を養う。
⑧社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりす
る活動を通して,広い視野に立ち,公民としての資質・能力を育成することを目
指す。

育成する資質能力
「思考力」「判断力」
学校ルーブリック項目
「向上心」「自律」「自己肯定感」「友愛」「創造性」「社会貢献」
「思考力」「判断力」「表現力」「人間関係力」

評価の
観点
知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に
取り組む態度
評価の
内容
我が国の歴史の展開に関わる諸事象に
ついて,地理的条件や世界の歴史と関
連づけながら総合的にとらえて理解し
ているとともに,諸資料から我が国の
歴史に関する様々な情報を適切かつ効
果的に調べまとめる技能を身につける
ようにする。
我が国の歴史の展開に関わる事象の意
味や意義、伝統と文化の特色などを,
時期や年代,推移,比較,相互の関連
や現在とのつながりなどに着目して,
概念などを活用して多面的・多角的に
考察したり,歴史にみられる課題を把
握し解決を視野に入れて構想したり,
考察,構想したことを効果的に説明し
たりする力を養う。
我が国の歴史の展開に関わる諸事象に
ついて,よりよい社会の実現を視野に
課題を主体的に探究しようとする態度
を養うとともに,多面的・多角的な考
察や深い理解を通して涵養される日本
国民としての自覚,我が国の歴史に対
する愛情,他国や他国の文化を尊重す
ることの大切さについての自覚などを
深める。
評価
方法
・定期考査
・小テスト
・定期考査
・ワーク
・ワーク
・振り返りシート
・授業中の行動観察
配分
70%
20%
10%

2 学習計画・使用教材

学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)



第10章 幕藩体制の動揺
3 幕府の衰退と近代への道
4 化政文化

第11章 近世から近代へ
1 開国と幕末の動乱
2 幕府の滅亡と新政府の発足

第12章 近代国家の成立
1 明治維新と富国強兵
2 立憲国家の成立

第13章 近代国家の展開
1 日清・日露戦争と国際関係
2 第一次世界大戦と日本
3 ワシントン体制
・欧米諸国のアジア進出による国際情勢
の変化やそれに対する幕政の対処を踏ま
えて幕府が衰退していく過程を理解す
る。
・近代化の基盤の形成について、産業経
済面や軍事面などに着目して、雄藩の浮
上という地方からの視点から考察する。
・化政文化について、学問・思想・教
育・文学・美術・生活文化の新たな展開
に着目し、江戸と地方の文化的交流にも
留意して考察する。
・都市の民衆を中心とする芸能などが盛
んになったことを理解する。
・国際社会に組み込まれるという国際環
境の変化に着目して、日本の開国を社
会・経済面での変化と関わらせて考察す
る。
・江戸幕府の威信低下と雄藩の台頭につ
いて、政治情勢の変化と列強の動向を関
連させて理解する。
・明治新政府の制度改革や富国強兵・殖
産興業政策に着目して、政治的変革と国
家的統一過程を理解する。
・欧米文化・思想の導入と近代化政策に
対する士族反乱・農民一揆の発生と、言
論闘争への転換を理解する。
・明治初期の対外政策について、欧米へ
の対応とアジアに対する外交政策の違い
について考察する。
・政府の強力な中央集権体制への志向の
もとで、自由民権運動の始まりから立憲
国家の成立に至る間、近代国家の基盤が
形成されていく過程を考察する。
・大日本帝国憲法の性格について具体
的・多角的に理解する。
・東アジアをめぐる国際環境が変容する
中、国家的課題であった不平等条約の改
正交渉が進展した過程や、朝鮮問題から
日清戦争に至る経緯について理解する。
・開戦に至る国際関係や、日露戦争の経
過、戦後の日本の国際的地位の変化と植
民地支配の推進について、諸外国の動向
と関連づけて考察する。
・第一次世界大戦前後の政治の動向およ
び対外政策の推移について、政党政治の
発展や日本の中国進出の状況を踏まえて
理解する。
・第一次世界大戦が日本の社会経済や政
治に及ぼした影響について、欧米・アジ
ア経済との関係や政党内閣の成立などと
関連させて考察する。
・ワシントン体制に至る国際的協調体制
の進展など国際環境の推移を、日本の立
場に着目して理解する。
・民主主義的風潮による社会運動の動向
を理解するとともに、普選運動など政党
政治の発展から二大政党による政党内閣
制成立に至るまでの意義について考察す
る。
①1学期中間考査




②1学期期末考査



第14章 近代の産業と生活
1 近代産業の発展
2 近代文化の発達
3 市民生活の変容と大衆文化

第15章 恐慌と第二次世界大戦
1 恐慌の時代
2 軍部の台頭
3 第二次世界大戦

第16章 占領下の日本
1 占領と改革
2 冷戦の開始と講和

第17章 高度成長の時代
1 55年体制
2 経済復興から高度経済成長へ

第18章 激動する世界と日本
1 経済大国への道
2 冷戦の終結と日本社会の変容
・日清・日露戦争前後にかけて資本主義
国家の基礎が確立された過程を、産業革
命や近代産業の発展に着目して理解す
る。
・近代産業の発展にともなう社会問題
(労働問題・公害問題)の発生と政府の対
応について考察する。
・伝統的な文化のうえに欧米文化を摂取
するなど二元性をもって成立した近代文
化の特色について、政治・経済・外交な
どの視点をもって考察する。
・義務教育の普及・定着とともに、国家
主義的教育が浸透していくことを理解す
る。
・労働者や都市中間層の拡大による大衆
社会の基盤の成立に着目し、都市化や市
民生活の変化を踏まえて、大衆文化の特
色について考察する。
・大衆文化の前提となる教育の普及・発
展、マスメディアの発達について理解す
る。
・戦後恐慌から昭和恐慌に至る国内経済
の動揺について、国内・国外の経済状況
と対策に着目して理解する。
・社会主義運動の高揚と国家主義の台頭
による軍部の政治的進出を踏まえて、協
調外交が挫折していく過程を考察する。
・日本の対外政策の推移について、世界
情勢や軍部の政治的進出に着目して、政
党内閣の崩壊や国際的孤立の過程につい
て理解する。
・恐慌から脱出し、国家主義が高揚する
中で、五・一五事件から二・二六事件に
かけて、軍部の影響力が増大していく過
程を考察する。
・日中戦争の勃発から太平洋戦争の突入
に至る過程について、国民生活の変化や
諸統制に着目して全体主義的な国家体制
の進展を考察する。
・第二次世界大戦について、国家間の相
違や総力戦の特色を踏まえ、この戦争が
空前の惨禍をもたらした点に着目して、
平和で民主的な国際社会の実現に努める
重要性を認識する。
・戦後の世界秩序を踏まえ、占領政策お
よび戦後の民主化政策とそれにともなう
諸改革について、その経過と内容を理解
する。
・戦後政治の動きを踏まえて、集大成と
なる日本国憲法制定の意義を考察する。
・東アジア情勢の変化を踏まえ、連合国
による占領が終結して日本が独立した意
義を考える。
・連合国による日本占領の終結と、その
後の日米関係の継続について、様々な国
の立場から考察する。
・独立後の日本国内政治について、衆議
院を保守・革新の二大勢力が占める55年
体制の成立から安定した保守政権となる
までの経過を理解する。
・冷戦構造の中で日本が国際社会に復帰
したことについて、日本の国際連合への
加盟、アメリカ・中華人民共和国・大韓
民国との関係に着目して、独立回復後の
日本の動きを考察する。
・朝鮮特需による経済復興とその後の高
度経済成長について、経済の国際化と国
内の技術革新などの側面に着目して考察
する。
・消費革命による社会の変貌と、経済成
長がもたらしたひずみである社会問題に
ついて理解する。
ドル=ショックや石油危機を踏まえて、
主要先進国首脳会議が開かれた意義を理
解する。
・高度成長が終焉し、保守政権が動揺す
る中、2度にわたる石油危機を乗り越
え、経済大国としての道を歩み始めた日
本の状況を多面的・多角的に考察する。
・冷戦体制の終結とそれに関わる国内の
状況について、日本の政治・外交・経
済・生活文化面を踏まえて多面的・多角
的にとらえる。
・科学技術・産業の発達によって派生す
る環境問題やエネルギー問題などの日本
の課題とそれに対する日本の役割を認識
する。
①2学期中間考査





②2学期期末考査



なし
なし
なし

使用教科書
山川出版社『詳説日本史(日本史探究)』
副教材
第一学習社『最新日本史図表』
啓隆社    『日本史重要語句CheckList』
山川出版社『日本史総合テスト』
山川出版社『日本史用語集改訂版』
山川出版社『授業用詳説日本史改訂版整理ノート』

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
①歴史の学習は興味を持つことから始まります。興味を持つためにも教科書や副教材に
 はこまめに触れておきましょう。
②興味を持ったら,「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうした」「なぜ」
 「その結果」と考えを進め,論理的に考えましょう。
③知識の積み重ねなくして思考することはできません。「歴史用語」等覚えるべきこと
 は一つでも多く覚えましょう。
④授業の復習は必ずしましょう。
⑤日本史の学力を向上させるためには「史料を読みこなす力」が必要です。そのために
 は「古文」の学習にも力を入れましょう。
⑥わからないことは、積極的に質問しましょう。わからないままにしないことが、学力向
 上の秘訣です。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
①授業形態は教科書・副教材を参考に,講義形式が中心です。授業中,ノートは必ずとり
ましょう。
②授業には必ず副教材を持参しましょう。
③質疑応答を多用し考える時間を多く取るように展開するので一緒に考え,思ったこと
 は積極的に発言しましょう。考えた上で講義を聞くと、理解力が飛躍的に向上します。
④歴史の学力向上には家庭での復習が不可欠です。帰宅後,必ずワークブック等でその
 日に学んだことについて確認をしてきましょう。
その他のアドバイス
①昔の出来事や人物に興味を持っている人は多いはずです。その興味を大切にして下さ
 い。
②歴史の勉強は過去の人物・出来事をいたずらに暗記することではありません。昔の人
 が何を考えながら生きていたのかをよく味わって下さい。そのためには教室で行われ
 る授業だけにとどまらず,図書館・博物館や遺跡・史跡等を訪れ積極的に歴史に触れ
 て下さい。
③現在世界でおこっている諸事象のほとんどが,その原因・理由が授業で学ぶ内容に関
 連しています。従って,臨機応変に教科書に沿った進行から多少離れることもありま
 す。また,テレビ・ラジオ・新聞のニュースには常に触れ,関心を持って下さい。
④史料(資料)集を用いることにより,史料(資料)の活用法を学んで下さい。
⑤大学受験を見据えたコースであることをしっかりと自覚して下さい。しかし,上記を
 しっかりと理解して勉強に臨めば,楽しく受験勉強をすることができるので頑張って
 欲しいと思います。