私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

地理歴史科 「日本史探究(2年普通科特進選抜文コース)」  単 位 数 5 単 位
学科・学年・組
 普通科・2年・F組(選択者)

1 学習の目標,評価の観点,内容及び評価方法

学習の目標
①歴史的事件がなぜ発生したのか,それによってどんな影響があったのかなどと
考えることによって,物事を経過を追いながらとらえ,論理的に思考できるよう
にします。
②「未来への手がかり」が「過去に学ぶ」ことによって得られることを理解しま
す。
③どのようにして歴史を勉強していけばよいのか(「歴史の学習法」)を身につ
けます。
④歴史に関する知識を増やすとともに,これらが各自の進路目標決定の一助とな
るようにします。
⑤我が国の伝統文化に対する関心を高めます。
⑥今日我が国が抱える問題がどのような歴史的事象に起因しているのかを理解さ
せ,国際社会に主体的に生きる日本人としての資質を養います。
⑦大学入試の準備を開始し,学んだ範囲の内では入試問題もこなせるようにしま
す。
⑧社会的事象の歴史的な見方・考え方を働かせ,課題を追究したり解決したりす
る活動を通して,広い視野に立ち,公民としての資質・能力を育成することを目
指します。

育成する資質能力
「思考力」「判断力」
学校ルーブリック項目
「向上心」「自律」「自己肯定感」「友愛」「創造性」「社会貢献」
「思考力」「判断力」「表現力」「人間関係力」

評価の
観点
知識・技能 思考・判断・表現 主体的に学習に
取り組む態度
評価の
内容
我が国の歴史の展開に関わる諸事象に
ついて,地理的条件や世界の歴史と関
連づけながら総合的にとらえて理解し
ているとともに,諸資料から我が国の
歴史に関する様々な情報を適切かつ効
果的に調べまとめる技能を身につける
ようにする。
我が国の歴史の展開に関わる事象の意
味や意義、伝統と文化の特色などを,
時期や年代,推移,比較,相互の関連
や現在とのつながりなどに着目して,
概念などを活用して多面的・多角的に
考察したり,歴史にみられる課題を把
握し解決を視野に入れて構想したり,
考察,構想したことを効果的に説明し
たりする力を養う。
我が国の歴史の展開に関わる諸事象に
ついて,よりよい社会の実現を視野に
課題を主体的に探究しようとする態度
を養うとともに,多面的・多角的な考
察や深い理解を通して涵養される日本
国民としての自覚,我が国の歴史に対
する愛情,他国や他国の文化を尊重す
ることの大切さについての自覚などを
深める。
評価
方法
・定期考査
・定期考査
・ワーク
・振り返りシート
・ワーク
・振り返りシート
・授業中の行動観察
配分
70%
20%
10%

2 学習計画・使用教材

学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)



第1章 日本文化のあけぼの
1 文化の始まり
2 農耕社会の成立

第2章 古墳とヤマト政権
1 古墳文化の展開
2 飛鳥の朝廷

第3章 律令国家の形成
1 律令国家への道
2 平城京の時代
3 律令国家の文化
4 律令国家の変容

第4章 貴族政治の展開
1 摂関政治
2 国風文化
3 地方政治の展開と武士
・人類文化の発生を考え、日本列島にお
ける旧石器文化・縄文文化の時代の社会
を理解する。
・打製石器・磨製石器・縄文土器の発
掘、竪穴住居の状況など考古学の成果に
よって教科書の叙述が成り立っているこ
とに気づく。
・大陸からの稲作伝播の様子や地域性の
顕著な道具の分布を踏まえて、弥生文化
の形成を考察する。
・集落・墓の変容から富の蓄積を理解
し、小国が形成される過程を東アジア世
界との交流と関連づけて考察する。
・地域の首長の出現から統一国家に至る
過程を、古墳の変容からとらえる。
・ヤマト政権による国家の形成過程につ
いて、東アジア世界との関係を踏まえて
考察する。
・ヤマト政権の権力争いや大陸文化の摂
取に着目して、飛鳥時代を考察する。
・飛鳥文化に世界の諸地域の文化の影響
がみられることを理解する。
・律令国家が成立するまでの政治過程に
ついて考察する。
・律令体制の完成期としての奈良時代
を、律令体制の状況を多角的・多面的に
とらえて考察する。
・平城京における政治動向について、土
地政策も含めて考察する。
・白鳳文化、天平文化における政治性と
国際性、仏教の展開などに着目して、古
代国家の展開を理解する。
・平安前期を中心とした古代国家の推移
について、東北経営や政治改革、地方統
治の変容を踏まえて、律令体制の変質を
考察する。
・藤原氏による摂関政治の成立過程と政
治運営への影響について考察する。
・大陸文化の消化と末法思想を前提とし
た新しい貴族文化として、国風文化が展
開されたことを理解する。
・律令制にもとづく地方統治体制の崩れ
への対応が、公領支配の変質、荘園の拡
大をもたらした経過を考察する。
・地方の反乱やその鎮圧など、武士の成
長過程について、源氏などを例にとって
考察する。
①1学期中間考査




②1学期期末考査



第5章 院政と武士の躍進
1 院政の始まり
2 院政と平氏政権

第6章 武家政権の成立
1 鎌倉幕府の成立
2 武士の社会
3 モンゴル襲来と幕府の衰退
4 鎌倉文化

第7章 武家社会の成長
1 室町幕府の成立
2 幕府の衰退と庶民の台頭
3 室町文化
4 戦国大名の登場

第8章 近世の幕開け
1 織豊政権
2 桃山文化
・院政期前後の土地支配形態を踏まえ
て、院政期の政治・経済・社会・文化を
理解する。
・政治の動向、国際関係・経済・文化へ
の対応を踏まえて、平氏政権の特性につ
いて考察する。
・古代から中世への変化について考察
し、時代を通観する問いを表現する。
・鎌倉幕府が東国の地方政権から全国的
な武家政権に成長していく過程を理解す
る。
・鎌倉幕府の成立時期をめぐる諸説に関
して、それぞれの根拠を明確にして考察
する。
・承久の乱にともなう公武関係の変化に
着目して、将軍独裁体制から執権政治の
確立に至る過程を理解する。
・モンゴル襲来による政治・経済・文化
への影響が、幕府の衰退につながってい
くことを理解する。
・庶民や武士の活動が活発化し、鎌倉仏
教が成立するなど、文化の新しい気運が
生まれたことを理解する。
・南北朝の動乱から室町幕府の成立と安
定について、日本諸地域の動向などを踏
まえて考察する。
・庶民の活動が社会秩序の変革の原動力
として成長していったことを踏まえて、
幕府の動揺や下剋上の風潮を考察する。
・諸産業の発達による庶民の台頭を踏ま
えて、中世社会の多様な展開を幅広く理
解する。
・武家政権の支配の進展や東アジア世界
との交流に着目して、武家文化と公家文
化および、大陸文化と伝統文化の関わり
について理解する。
・応仁の乱以降、地方権力として登場し
た戦国大名や各地に展開した都市につい
て、諸地域の地理的条件と関連づけて考
察する。
・大航海時代と呼ばれる世界史的背景を
踏まえて、ヨーロッパ人の東アジアへの
進出とその影響を考察する。
・織田信長の統一事業、豊臣秀吉の天下
統一、秀吉の朝鮮侵略と続く織豊政権の
特色と意義、その後の時代への影響につ
いて理解する。
・新興の大名や都市の豪商の精神を反映
した桃山文化について、町衆の生活にも
着目し、時代的背景を踏まえて考察す
る。
③2学期中間考査



④2学期期末考査



第9章 幕藩体制の成立と展開
1 幕藩体制の成立
2 幕藩社会の構造
3 幕政の安定
4 経済の発展
5 元禄文化

第10章 幕藩体制の動揺
1 幕政の改革
2 宝暦・天明期の文化
3 幕府の衰退と近代への道
・中世から近世への変化について考察
し、時代を通観する問いを表現する。
・江戸幕府の成立による幕藩体制の確立
過程を理解する。
・江戸幕府の鎖国政策について、単なる
対外貿易の遮断ではないことを理解し、
鎖国後の貿易関係の在り方も含めてその
影響と歴史的意義について考察する。
・幕藩体制の確立期の経済・社会を、兵
農分離や村落・都市支配などの観点か
ら、多面的・多角的に考察する。
・諸藩における政治の安定化や刷新につ
いて、その特色を理解する。
・幕藩体制の安定期の農業・商工業など
の発展について、諸産業相互の関係やそ
の社会的役割を踏まえて考察する。
・経済の発展と関連して町人文化が形成
されたことについて、町人の社会的台頭
や幕藩体制の安定と関連させて理解す
る。
・18世紀の社会のひずみや矛盾、それに
対応するために幕府が行なった諸改革の
内容を理解する。
・欧米諸国のアジア進出による国際情勢
の変化やそれに対する幕政の対処を踏ま
えて幕府が衰退していく過程を理解す
る。
⑤3学期学年末考査

使用教科書
山川出版社『詳説日本史(日本史探究)』
副教材
第一学習社『最新日本史図表』
啓隆社    『日本史重要語句CheckList』
山川出版社『日本史総合テスト』
山川出版社『日本史用語集』
山川出版社『詳説日本史授業用整理ノート』

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
①歴史の学習は興味を持つことから始まります。興味を持つためにも教科書や副教材に
 はこまめに触れておきましょう。
②興味を持ったら,「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どうした」「なぜ」
 「その結果」と考えを進め,論理的に考えましょう。
③知識の積み重ねなくして思考することはできません。「歴史用語」等覚えるべきこと
 は一つでも多く覚えましょう。
④授業の復習は必ずしましょう。
⑤日本史の学力を向上させるためには「史料を読みこなす力」が必要です。そのために
 は「古文」の学習にも力を入れましょう。
⑥わからないことは、積極的に質問しましょう。わからないままにしないことが、学力向
 上の秘訣です。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
①授業形態は教科書・副教材を参考に,板書による講義形式が中心です。授業中,ノー
 トは必ずとりましょう。
②授業には必ず副教材を持参しましょう。
③質疑応答を多用し考える時間を多く取るように展開するので一緒に考え,思ったこと
 は積極的に発言しましょう。考えた上で講義を聞くと、理解力が飛躍的に向上します。
④歴史の学力向上には家庭での復習が不可欠です。帰宅後,必ずワークブック等でその
 日に学んだことについて確認をしてきましょう。
その他のアドバイス
①昔の出来事や人物に興味を持っている人は多いはずです。その興味を大切にして下さ
 い。
②歴史の勉強は過去の人物・出来事をいたずらに暗記することではありません。昔の人
 が何を考えながら生きていたのかをよく味わって下さい。そのためには教室で行われ
 る授業だけにとどまらず,図書館・博物館や遺跡・史跡等を訪れ積極的に歴史に触れ
 て下さい。
③現在世界でおこっている諸事象のほとんどが,その原因・理由が授業で学ぶ内容に関
 連しています。従って,臨機応変に教科書に沿った進行から多少離れることもありま
 す。また,テレビ・ラジオ・新聞のニュースには常に触れ,関心を持って下さい。
④史料(資料)集を用いることにより,史料(資料)の活用法を学んで下さい。
⑤大学受験を見据えたコースであることをしっかりと自覚して下さい。しかし,上記を
 しっかりと理解して勉強に臨めば,楽しく受験勉強をすることができるので頑張って
 欲しいと思います。