覚悟と使命感
先日警視庁を訪問してきました。本校の卒業生で前警視庁捜査一課長、現在は警視庁刑事部参事官の福山隆夫様にお会いしてお話を伺ってきました。今回の訪問は千葉商科大学が創立100周年を迎えるにあたり同窓会と連携し、職域別の同窓会立ち上げについて相談、依頼をすることが目的でした。そこで福山さんの高校時代の話から現在の付属高校及び千葉商科大学の様子などまさに話は尽きませんでした。
話が一段落したところで、緊急対策室を見学させていただきました。この部屋は犯人立てこもりなど重大案件が出た場合に対策本部を立ち上げ、対応を会議する場所です。その部屋で三課(窃盗)の方に日常の活動について説明をしていただきました。実際にスリがどのように行われるのか現場の映像を見せていただきながら説明を受けました。実際スリの被害にあっても、自分がなくしたあるいは勘違いかもしれないということで犯罪が顕在化し辛いという側面があるとのことでした。映像でも鞄から財布を抜き取られても気づかないばかりか、犯人が逮捕されているにもかかわらずその場から離れようとしている様子が伺えました。警察官が犯人を目視で逮捕しても被害者がいなければ立件が難しくなってしまうこともあるそうです。総じていえることは、日本は治安がいいと思い込んで油断していることがスリに狙われる要因となっているということです。実際には被害にあっているのにそれに気づき辛いというのもそのせいではないでしょうか。そのためにも持ち物の確認や口の空いたカバン等の場合は常に見えるようにしておくような予防策が大切だと思います。このようなちょっとした配慮によって犯罪を未然に防ぎ、安易に狙われないようにすることで犯罪そのものの減少にもつながると思います。
また、逮捕の際暴れる犯人を制圧する姿も凄まじいものがありました。凶器を持っているかもしれない犯人や屈強な犯人を制圧するのはまさに命がけであると感じました。映像でも大柄の犯人に振り回されながらも必死にしがみついて制圧する2人の女性警察官の姿には強い覚悟と使命感を感じました。福山さんが「みんなよく頑張っている。最後はやはり気持ちです。」と言われたときは深く頷き、教育現場においても重要なことであると再認識させられました。このような方々に支えられて日本の治安は守られています。未来ある生徒達に強い「覚悟と使命感」、そして高い志をもつよう育成していかなければならないと痛感しました。
お願いがあって訪問したにもかかわらず、このような機会をいただき感謝しています。私自身「覚悟と使命感」をもってやり抜かなければならないと身が引き締まる日でした。かつて教えた生徒に教えられる。これこそ教育の醍醐味であり、教員とはつくづくすばらしい職業であると改めて感じた次第です。