私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「理科演習(2年普通科総合進学コース)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科・2年・C〜I組

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
生物基礎
1 生物や生命現象の持つ多様性を踏まえつつ,それらに共通する。生物学の基本
的な概念や原理・法則を理解する。
2 遺伝子・健康・環境など日常生活や社会に関わるテーマを通して,生物や生命
現象に対しての興味・関心を高める。
3 観察,実験を通して生物や生命現象に関する基本的な概念や原理・法則を理解
する。
4 生物や生命現象の中から問題や課題を見出し,観察,実験などを通して探究す
る姿勢を身につける。

環境スピーチコンテスト
1 資料作りを通し、思考力・表現力・判断力を養う。
2 現代の地球問題への関心、興味を沸かせ、知識に入れていく。
使用教科書
第一学習社「高等学校 改訂 新生物基礎」
副教材
なし

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
第4章 植生の多様性と生態系
 第1節 植生と遷移
  1.植物と環境
  2.さまざまな植生
  3.植生の遷移
  4.植生の遷移
 第2節 気候とバイオーム
  1.気温・降水量とバイオーム
  2.世界のバイオーム
  3.日本のバイオーム
 第3節 生態系と物質循環
  1.生態系
  2.生態系の物質循環とエネルギーの流れ
  3.物質循環
 第4節 生態系のバランスと保全
  1.生態系のバランス
  2.人間活動と生態系
  3.人間活動と生態系
  4.生態系の保全

・環境スピーチコンテスト
 (ガイダンス・作成・発表)
・光環境の違いによって生育する植物に違いがある
こと,また,同じ植物体であっても光環境の違いに
よって特徴に差があることを理解します。
・陸上の植生が,大きく3つに区分されることを理
解します。
・階層構造などの森林の特徴を理解します。
・草原,荒原の大まかな特徴について理解します。
・身近な場所で,光環境の違いによって生育する植
物が異なることを確認します。
・植生は不変ではなく,長期的には移り変わってい
ることを学習します。
・乾性遷移のモデルについて,土壌の形成や光環境
の変化などに着目して学習します。
・実際の遷移はモデル通りには進まないことを,先
駆植物などを例に学習します。
・バイオームの概念を理解します。
・気温と降水量の違いによってさまざまなバイオー
ムが成立していることを理解します。
・気温と降水量から身近な地域のバイオームを推定
し,野外で調査した植生と一致するか確認します。
・世界のバイオームの種類と分布を理解し,それぞ
れに生育する植物が環境に適応しているものである
ことを理解します。
・日本におけるバイオームの水平分布と垂直分布を
理解し,各バイオームの特徴的な植物種を理解しま
す。
・生態系の構成について理解します。
・生物は,食物連鎖(食物網)によってつながってい
ることを理解します。
・土壌動物の種類に,生育場所の環境条件による違
いがあるかを調べ,考察します。
・生態ピラミッドについて理解します。
・生態系において物質は循環していることを理解し
ます。
・土壌中の微生物が有機物を分解していることを実
際に確認します。
・物質循環において重要な役割を担う菌類・細菌類
の例として,菌根菌と植物の関係を理解します。
・生態系におけるエネルギーの移動について理解し
ます。
・生物を構成する上で重要な元素である炭素と窒素
の循環について理解します。
・生態系を構成する生物は,一定の範囲内での変動
をつねにくり返しながら,全体としてバランスを維
持していることを理解します。
・生態系において1つの生物種が多くの種の生育環境
をつくり出すことがあることを理解します。
・自然浄化の現象と,その具体例として干潟での自
然浄化を理解します。
・人間活動が生態系にさまざまな影響を与えている
ことと,その例として水質汚染や酸性雨,地球温暖
化について理解します。
・人間活動によって,地球上の森林は減少してお
り,その生態系の破壊が進んでいることを理解しま
す。
・外来生物の移入が在来生物に与える影響や,人間
活動によって絶滅危惧種がふえていることについて
理解します。
・人類が持続して生きていくためには,生態系を保
全する必要があることを理解します。
・生態系を保全するため,さまざまな取り組みが行
われ,法律などが定められていることを理解しま
す。
・人間活動によって放出された物質が,食物連鎖を
つうじてヒトを含むさまざまな生物に影響を与える
ことがあることを理解します。
・生態系には,人間の手によって維持されるものも
あることを理解します。

・環境スピーチコンテストへの参加は現代の地球上
の問題を環境の観点から考え、自分の意見をまと
め、発表する。それを行うことで自分が今何をでき
るかを今一度考えられるようにします。
・資料作りを通し、思考力・表現力・判断力を養い
ます。
・現代の地球問題への関心、興味を沸かせ、知識を
身につけます。
スピーチ作成、及
び発表
考査
【課題・提出物等】
ノートもしくはプリント
【第1学期の評価方法】
定期考査の成績,調べ学習・発表及びその内容などを総合的に評価します。
学期
第3章 体内環境と恒常性
 31節 生物の内部環境
  1.体液とその働き
  2.心臓の構造と体液の循環
  3.赤血球と血小板の働き
  4.体液濃度の調節
  5.体液濃度の調節
 第2節 体内環境を維持するしくみ
  1.体内環境の調節のしくみ
  2.自律神経系の働き
  3.ホルモンによる体内環境の維持
  4.血糖濃度の調節
  5.体温の調節
 第3節 生体防御
  1.生体防御
  2.自然免疫
  3.獲得免疫
  4.免疫と医療
・恒常性と,体液の種類である血液,組織液,リン
パ液について理解する。
・ヒトの心臓の構造と血液循環の経路について理解
する。
・ヘモグロビンによる酸素の運搬を中心に,血液の
働きと恒常性について理解する。
・血液凝固のしくみと体内環境を保つことの関係に
ついて理解する。
・腎臓の働きによって,体液中の塩類などの濃度が
保たれていることを理解する。
・濃縮率について理解する。
・拡散や浸透,半透膜などについて理解する。
・肝臓でさまざまな物質の合成・分解・貯蔵が行わ
れて,体液の成分が保たれていることを理解する。
・体内環境が自律神経系と内分泌系によって維持さ
れていることを理解する。
・自律神経系の分布と各器官における作用を理解す
る。
・心臓における自律神経系の働きや,自律神経系と
意識の関係について理解する。
・ホルモンの概要と各ホルモンの働きを理解する。
・フィードバック現象について理解する。
・血糖量の調節のしくみと糖尿病について理解す
る。
・体温調節のしくみについて理解する。
・免疫を担う細胞や器官の種類と働きの概要を理解
する。
・免疫は,自然免疫と獲得免疫に分けられ,互いに
活性化し合って病原体を排除することを理解する。
・自然免疫の概要と,自然免疫が獲得免疫を誘導す
ることを理解する。
・獲得免疫の流れと抗体の働きを理解する。
・二次応答について理解する。
・免疫寛容のしくみによって,自己の物質に対して
獲得免疫が起こらないことを理解する。
・アレルギーや自己免疫疾患,エイズなどの生じる
しくみを理解する。
・拒絶反応が起こるしくみについて理解する。
・予防接種や抗体を用いた医療について理解する。
・ヒトのABO式血液型について理解する。
・作用と環境形成作用について理解する。

・資料作りを通し、思考力・表現力・判断力を養い
ます。
・現代の地球問題への関心、興味を沸かせ、知識を
身につけます。
ポスター作成、及
び発表
考査
【課題・提出物等】
ノートもしくはプリント
【第2学期の評価方法】
定期考査の成績,調べ学習・発表及びその内容などを総合的に評価します。
学期
第2章 遺伝子とその働き
 第1節 遺伝子とDNA
  1.遺伝子・染色体・DNA
  2.DNAの構造
  3.DNAの複製と分配
 第2節 遺伝子の働き
  1.タンパク質の構造と働き
  2.遺伝子の発現とタンパク質合成
  3.細胞と遺伝子の働き
・形質,および核・染色体・DNA・遺伝子の関係
について理解します。
・ヌクレオチドの構造,および塩基の相補性にもと
づくDNAの二重らせん構造について理解します。
・遺伝子の本体がDNAであることや,その構造が
明らかにされるまでの歴史的な流れについて理解し
ます。
・細胞周期の概要を学習し,間期に複製されたDNA
が細胞分裂を通じて均等に分配されることで,分裂
の前後で遺伝情報の同一性が保たれていることを理
解します。
・タンパク質は,DNAの遺伝情報に従って合成さ
れ,体内でさまざまな働きを担っていることを理解
します。
・転写と翻訳の概要とセントラルドグマについ理解
します。
・塩基の相補性にもとづいてDNAの複製や転写が
行われることで,正確に遺伝情報が伝えられること
を理解します。
・ゲノムの考え方について理解します。
・すべての細胞が同じ遺伝情報をもつことを理解し
ます。
・すべての遺伝子が常に発現しているのではないこ
とを理解します。
・クローンとその応用について理解します。
・資料作りを通し、思考力・表現力・判断力を養い
ます。
・現代の地球問題への関心、興味を沸かせ、知識を
身につけます。
ポスター作成、及
び発表
考査
【課題・提出物等】
ノートもしくはプリント
【第3学期の評価方法】
定期考査の成績,調べ学習・発表及びその内容などを総合的に評価します。
【年間の学習状況の評価方法】
1,2,3,学期の成績を基礎に総合的に評価します。

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
自然の事物・現象に関心や探究心をもち,意
欲的にそれらを探究しようとするとともに,科
学的態度を身に付けているか。
授業時の発問に対する応答や提出物,発表及
び定
期考査から評価します。
思考・判断・表現
自然の事物・現象の中に問題を見いだし,探
究する過程を通して,事象を科学的に考察し,
導き出した考えを的確に表現できるか。
授業時の発問に対する応答や提出物,発表及
び定
期考査から評価します。
資料活用の
技能・表現
視聴覚教材などを通して機材の活用能力,そ
れらを活用した提示能力を養えるか。
授業時の発問に対する応答や提出物,発表及
び定
期考査から評価します。
技能および知識・理解
自然の事物・現象について,基本的な概念や原
理・法則を理解し,知識を身に付けているか。
授業時の発問に対する応答や提出物,発表及
び定
期考査から評価します。

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
毎回の授業の内容を確実に理解し,わからない所を早く対処することが大切です。疑問に思
ったことは調べたり,教員や友人に聞くことで解決することで身に付いていきます。
調べ学習を行うので,積極的に調べることをし,友達と共に良い発表をしましょう。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
ノートをしっかりとることを心がけてください。黒板に書かれている内容をただ写すだけで
なく,自分なりに見やすく工夫することで,より内容が理解でき,復習もしやすくなります。
また,積極的に様々な事象を調べることを心がけてください。
その他のアドバイス
 身のまわりにある物はどのような仕組みで動くのか,現象はどのような原因で起こるの
か,生き物はどのような性質を持つのか。私たちの生活には科学があふれています。科学の発展が,
私たちの社会の発展にも繋がります。日常で持つ疑問を解決する科学を楽しく学んでもらいたいで
す。