私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「理科演習(2年普通科特進国立文コース)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科・2年・J組

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
 化学では、物質の構造と状態、物質の性質、物質の変化等の化学的な事物・現象
について
の観察・実験等を行い、基本的な概念や原理・法則を理解させ、化学的に探求する
能力を
身につけさせる事を学習する。
 生物では、生物や生物現象について基本的な概念や法則を学ぶことで,科学的な
自然観を
育成する。さらに生物や生物現象について,探求する能力と態度を養う。
使用教科書
第一学習社 『高等学校 改訂 化学基礎』 『高等学校 改訂 生物基礎』
副教材
第一学習社 『ビーライン 化学基礎』『ビーライン 生物基礎』

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
【化学分野】
第1部 化学と人間生活 
 第1章 化学と私たちの生活  
 A  生活の中の化学  
 第2章 物質の状態  
 A  混合物と純物質  
 B  元素・単体・化合物  
 C  粒子の熱運動と物質の状態
 第2部 物質の構成 
 第1章 物質の構成粒子  
 A  原子の構造  
 B  原子の電子配置  
 C  イオンの生成  
 D  元素の周期表 
 第2章 化学結合  
 A  イオン結合  
 B  共有結合  
 C  金属結合

【生物分野】
第1編 生物と遺伝子  
 第1章 生物の特徴  
  第1節 生物の多様性と共通性
  ① 生物の多様性
  ② 生物の共通性と多様性の起源
  ③ 細胞の構造にみられる共通性

  第2節 細胞とエネルギー  
  ① 代謝とエネルギー
  ② 代謝と酵素
  ③ 光合成
  ④ 呼吸
  ⑤ ミトコンドリアと葉緑体の起源
 

 









 第2章 遺伝子とその働き  
  第1節 遺伝子の本体の構造
  ① 遺伝子の本体―DNA
  ② DNAの構造

  第2節 遺伝情報の複製と分配
  ①細胞周期

  第3節 遺伝情報とタンパク質の合成
  ① 遺伝情報とタンパク質
  ② タンパク質
  ③ タンパク質の合成
  ④ 遺伝子とゲノム
  ⑤ 細胞内での遺伝子の発現

 





第3章 生物の体内環境
  第1節 体液とその働き
  ① 体内環境と恒常性
  ② 体液と物質の輸送
  ③ 体液成分の濃度調節
  ④ 肝臓の働き



①物質はその構成成分によって分類されること
を理
解させ、物質構成の基本粒子とその表記表を学
びま
す。
②原子・分子・イオンの存在とその表し方を学
習
し、また、原子の大きさの概念も学びます。
③原子内部の基本構造を理解させ、原子量の考
え方
の構造論的裏付けを行います。
④原子の性質やイオンの生成、あるいは元素の
性質
の周期性、化学結合等の原因となる原子の電子
配置
を学びます。
⑤イオン結合、共有結合、金属結合等の化学結
合の
しくみを学びます。







・地球上のさまざまな環境には,多種多様な生
物が
生息しており,生物は多様であることを理解し
ま
す。
・現生生物の共通の祖先について,推測される
特徴
を理解します。
・共通の祖先が長い年月の間に変化して,生物
が多
様化したことを理解します。
・生物が共通にもつ特徴を理解します。
・細胞には原核細胞と真核細胞があること,及
びそ
れぞれの特徴について理解します。
・真核細胞において,核・細胞膜・細胞質基
質・ミ
トコンドリア・葉緑体・液胞・細胞壁の構造と
機能
の概要を理解します。
・代謝には同化と異化があること,また,代謝
に伴
うエネルギーの移動にはATPが関わっている
こと
を理解します。
・酵素の基本的な特徴について理解します。
・光合成は,光エネルギーによってATPをつ
く
り,このエネルギーによって有機物を合成する
過程
であることを理解します。
・呼吸は,酵素の働きによって有機物が段階的
に分
解されてエネルギーが取り出され,ATPがつ
くら
れる過程であることを理解します。
・ミトコンドリアと葉緑体の起源について,細
胞内
共生説の考え方を理解します。

・ヌクレオチドの構造および,塩基の相補性に
もと
づくDNAの二重らせん構造について理解しま
す。
・多細胞生物では,一部の細胞が分裂して増殖
して
いること,分裂している細胞には細胞周期がみ
られ
ることを理解します。
・間期の間にDNAが複製され,細胞分裂を通
じて
均等に分配されることで,細胞分裂の前後で遺
伝情
報の同一性が保たれることを理解します。
・細胞の分裂の各過程で起こる現象を理解しま
す。
・生体内には多種多様なタンパク質が存在し,
酵素
などとしてさまざまな働きをしていることを理
解し
ます。
・タンパク質は,多数のアミノ酸が鎖状につな
がっ
てできたものであることを理解します。
・DNAの塩基配列がmRNAの塩基配列に写
し取
られ(転写),これがアミノ酸配列に置き換え
られ
る(翻訳)流れを理解します。
・遺伝子はゲノムの一部であることを理解しま
す。
・全遺伝子が常に発現してはいないことを理解
しま
す。

・恒常性と体液の種類である血液,組織液,リ
ンパ
液について理解します。
・ヘモグロビンによる酸素の運搬を中心に,血
液の
働きと恒常性について理解します。
・血液凝固のしくみと体内環境の保持との関係
につ
いて理解します。
・心臓の構造,血液循環の経路について理解し
ま
す。
・腎臓の働きによって,体液中の塩類などの濃
度が
保たれていることを理解します。
・無脊椎動物,魚類の体液の濃度調節について
理解
します。
・肝臓でさまざまな物質の合成・分解・貯蔵が
行わ
れて,体液の成分が保たれていることを理解し
ま
す。
中間考査
及び
期末考査
【課題・提出物等】
ノート、演習ノート、プリント学習(章のまとめ)、実験レポート
【第1学期の評価方法】
2回の定期考査の成績、実験、作業等のレポートやノート等の提出物、日々の学習に対する取り組み等を総合的に判
断して評
価を行います。
学期
【化学分野】
第3部 物質の変化 
 第1章 物質量と化学反応式  
 A  原子量・分子量・式量  
 B  物質量  
 C  溶液の濃度  
 D  化学反応式  
 E  化学変化の量的関係 
 第2章 酸と塩基  
 A  酸と塩基  
 B  水素イオン濃度とpH  
 C  酸・塩基の中和  
 D  塩の性質

【生物分野】
第2編 生物の体内環境の維持
 第3章 生物の体内環境
  第2節 体内環境の維持のしくみ
  ① 自律神経系の働きと構造
  ② 内分泌系による調節
  ③ 自律神経系と内分泌系による調節
 
  第3節 生体防御
  ① 皮膚や粘膜での物理的・化学的な生
体防
    御
  ② 免疫にかかわる細胞と器官
  ③ 自然免疫
  ④ 獲得免疫
  ⑤ 自然免疫と獲得免疫の特徴
  ⑥ 免疫に関する身近な疾患
  ⑦ 免疫と医療

















第3編 生物の多様性と生態系
 第4章 バイオームの多様性と分布
  第1節 植生と遷移
  ① 植生
  ② 植生の遷移




①物質構成の諸粒子の質量の考え方と、物質量
(mol)について学習します。
②化学変化の反応式による記述と、それを用い
る変
化の量的関係の計算を学びます。
③酸と塩基の反応が、水素イオンの授受の反応
とし
て統一的に説明できることを理解させます。
④中和の量的関係を、物質量・モル濃度を用い
て学
びます。
⑤塩の生成反応により、塩の構成を考えさせ、
分類
させます。




・動物の体液の濃度が,自律神経系とホルモン
の働
きによって調節されていることを理解します。
・自律神経系には交感神経と副交感神経があ
り,こ
れらが拮抗的に働くことによって体内環境を調
節し
ていることを理解します。
・簡単な運動を行い,心臓の拍動数が意思とは
無関
係に調節されていることを確認します。
・ヒトの内分泌腺の種類と構造,そこから分泌
され
るホルモンの作用について理解します。
・ホルモン分泌のフィードバック調節について
理解
します。
・血糖量の調節について,自律神経系とホルモ
ンの
相互作用を中心に理解します。
・体温調節のしくみについて理解します。
・皮膚や粘膜による生体防御について理解しま
す。
・免疫を担う細胞や器官の種類と働きの概要を
理解
します。
・自然免疫のしくみを理解します。
・抗体の特徴について理解します。
・リンパ球による抗原認識,免疫寛容のしくみ
を理
解します。
・獲得免疫は自然免疫によって誘導されること
を理
解します。
・獲得免疫による病原体排除の流れを理解しま
す。
・二次応答や拒絶反応が起こるしくみを理解し
ま
す。
・自然免疫と獲得免疫の特徴を理解し,お互い
に活
性化し合って病原体を排除することを理解しま
す。
・アレルギーや自己免疫病,エイズなど身近な
免疫
に関する疾患の生じるしくみを理解します。
・免疫のしくみを用いている予防接種や血清療
法の
しくみ,近年では抗体医薬が用いられているこ
とを
理解します。
	
・植生は,相観によって森林・草原・荒原に大
別さ
れることを理解します。
・森林には階層構造がみられ,階層によって光
など
の環境が異なることを理解します。
・光の強さと光合成速度の関係を,グラフを通
じて
理解します。
・陽生植物,陰生植物の光合成速度の特徴を理
解し
ます。
・樹木の構造を観察し,光環境と葉の付き方と
の関
係を理解します。
・植生は不変ではなく,長期的には移り変わっ
てい
ることを理解します。
・乾性遷移のモデルについて,土壌の形成や光
環境
の変化などの環境形成作用に注目して理解しま
す。
・実際の遷移は,モデルのとおりには進まない
こと
を,先駆植物などを例に理解します。

	
	
 中間考査 期末
考査
【課題・提出物等】
ノート、演習ノート、プリント学習(章のまとめ)、実験レポート
【第2学期の評価方法】
2回の定期考査の成績、実験、作業等のレポートやノート等の提出物、日々の学習に対する取り組み等を総合的に判
断して評
価を行います。
学期
【化学分野】
第3部 物質の変化 
 第3章 酸化還元反応  
 A  酸化と還元  
 B  酸化剤と還元剤  
 C  金属のイオン化傾向  
 D  酸化還元反応と人間生活

【生物分野】
 第4章 バイオームの多様性と分布
  第2節 バイオームとその分布
  ① バイオーム
  ② 世界のバイオーム
  ③ 日本のバイオーム

 第5章 生態系とその保全
  第1節 生態系
  ① 生態系の成り立ち
  ② 生態系内の物質循環とエネルギーの
流れ

 第2節生態系のバランスと保全
  ①生態系のバランス
  ②人間活動による生態系への影響
  ③生態系の保全


①酸化還元反応は、電子移動反応として統一 
的に
説明出来ることを学びます。
②酸化剤と還元剤の反応を電子の授受に着目し
て指
導し、合わせて酸化数の考え方を学びます。
③金属のイオン化傾向を理解しましょう。



・バイオームの概念を理解し,陸上にはその地
域に
生育する植物を基盤としたさまざまなバイオー
ムが
成立することを理解します。
・気温と降水量の違いによってさまざまなバイ
オー
ムが成立していることを理解します。
・地球上には,それぞれの場所に適応した植物
が生
育し,いろいろなバイオームが成立しているこ
とを
理解します。
・世界のバイオームの種類と分布を理解しま
す。
・日本におけるバイオームの水平分布と垂直分
布を
理解し,各バイオームの特徴的な植物種を理解
すし
ます。
・生態系の構成について理解します。
・地球上には,陸上以外にもさまざまな生態系
がみ
られることを理解します。
・生物は,食物連鎖(食物網)によってつなが
って
いることを理解します。
・生態ピラミッドや物質の生産と消費の関係を
理解
します。
・生態系内における炭素と窒素の循環を理解し
ま
す。
・土壌中の菌類や細菌が有機物を分解している
こと
を実際に確認します。
・生態系に入った光エネルギーは,化学エネル
ギー
に変換され,食物連鎖を通じて生物の間を移動
して
最終的には熱のエネルギーとして生態系外に放
出さ
れることを理解します。


 学年末考査
【課題・提出物等】
ノート、演習ノート、プリント学習(章のまとめ)、実験レポート
【第3学期の評価方法】
学年末考査の成績、実験、作業等のレポートやノート等の提出物、日々の学習に対する取り組み等を総合的に判断し
て評価を
行います。
【年間の学習状況の評価方法】
各学期の評価を基に、学習に対する取り組む意欲、学習に向けての向上心、発表の仕方等を総合的に判断して評価を行い
ます。

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
【化学分野】
 化学に対してより関心・意欲を持たせる上
で基
本な事項を中心に説明し、合わせて重要事
項・関
連事項・発展事項については図・表を用いて
理解できるか。
【生物分野】
 自然の事物・現象に関心や探究心をもち,
意欲
的にそれらを探究しようとするとともに,科
学的
態度を身に付けているか。
授業における発問に対する発言内容やノート
の作
成内容を見ます。
思考・判断・表現
【化学分野】
 中学校理科との関連を考慮しながら、化学
の基
本的な概念の形成をはかると共に、化学的に
探求
する方法の習得を通して、科学的な思考力、
判断
力及び表現力を身に付けているか。
【生物分野】
 自然の事物・現象の中に問題を見いだし,
探究
する過程を通して,事象を科学的に考察し,
導き
出した考えを的確に表現できるか。
与えられた課題に対するレポート作成内容を
見ま
す。
資料活用の
技能・表現
【化学分野】
 各項目の学習活動と関連させながら観察、
実験
を通して、仮説の設定、実験の計画、実験に
よる
検証、データの解釈等、化学的に探求する方
法を
習得させ、創意ある研究報告書を作成できる
か。
【生物分野】
 実験の過程や結果を的確に読み取り,自然
の事
物・現象を科学的に探究する技能を身に付け
てい
るか。
実験、視聴覚教材を通して、その活用に対す
る技
量を見ます。
技能および知識・理解
【化学分野】
 化学的な事物・現象についての観察、実験
を行
い、化学的に探求する能力と態度を育てると
共に
基本的な概念や原理・法則を理解できるか。
【生物分野】
 自然の事物・現象について,基本的な概念
や原
理・法則を理解し,知識を身に付けている
か。
定期考査、小テスト、ノート作成等を通して
化学
に対する知識・理解度を見ます。

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
 理科は暗記科目ではありません。ある現象を覚えるためには、そのしくみや原因・背景を
「理解」
することが大切です。そのため、授業中は、「流れ」を意識して学ぶようにしましょう。毎
回学習し
たことを確実に理解する事が一番大切な事です。また、分からないことはその日の内に処理
しておく
ことが肝心です(復習・予習)。自分が調べて分からないことは、積極的に教員・分かる友
人に質問
しよう。決して恥ずかしい事ではありません。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
ノートやプリントは平常の評価をする際最大のポイントになりますので毎回確実に取り、特
に黒板に
書いた言葉や文章だけでなく、教科書や参考書等を積極的に利用して自分なりの分かり易い
ノート・
プリントを作成して下さい。また、提出物は毎回確実に期限を守って提出して下さい。
その他のアドバイス
授業で取り扱った事項については、インターネット検索などを利用したり、図書館の本を利
用して調
べるなどして、より深い知識を得るよう積極的に行動して下さい。生物や化学は日常見られ
る事柄に
密接に関係しています。学んだ事柄を思い出し理解を深めてください。決して難しい科目で
はありま
せん。楽しく学習しましょう。皆さんの努力を期待します。