私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

数学科 「数学Ⅲ(3年普通科理コース)」  単 位 数 5 単 位
学科・学年・組
普通科:3年A組(理コース選択)

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
1 数列の極限,関数の極限,微分法とその応用,積分法とその応用についての
 理解を深めます。
2 基礎的及び相互関連的な知識の習得と技能の習熟を図ります。
3 事象を数学的に考察し処理する能力を伸ばすとともに,それらを活用する
 能力を育てます。
使用教科書
第一学習社 高等学校 数学Ⅲ
副教材
第一学習社 プログレス 数学Ⅲ

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
第3章 数列の極限
1.無限数列
(1)無限数列と極限
(2)無限等比数列
2.無限級数
(1)無限級数
(2)無限等比級数
(3)いろいろな無限級数


第4章 関数の極限
1.分数関数と無理関数
(1)分数関数
(2)無理関数
(3)合成関数
(4)逆関数
2.関数の極限と連続性
(1)関数の極限
(2)三角関数の極限
(3)関数の連続性
(4)連続関数の性質



第5章 微分法
1.微分と導関数
(1)微分可能と連続
(2)微分と導関数
(3)合成関数と逆関数の微分法

2.いろいろな関数の微分法
(1)三角関数の微分法
(2)対数関数・指数関数の微分法
(3)高次導関数

3.導関数の応用
(1)接線の方程式
(2)平均値の定理
(3)関数の増減

4.いろいろな応用
(1)グラフの凹凸
(2)第2次導関数と極大・極小
(3)速度と加速度
(4)関数の近似式

・ 数列の極限の概念を確認し,収束・発散な
どの
 意味がわかるようにします。
・ 極限値の計算の基本性質が十分に活用でき
る
 ようにします。
・ 無限等比数列の極限の様子について学びま
す。
・ 無限級数の収束・発散の意味を理解し,極
限の
 計算を正確にできるようにします。




・ 分数関数・無理関数のグラフが描け,その
グラ
 フを利用して方程式や不等式を解くことがで
きる
 ようにします。
・ 具体的な関数について,逆関数・合成関数
を求
 められるようにします。
・ 関数の極限の意味とその表し方及び極限値
の性
 質について学び,指数・対数・三角関数の極
限が
 求められるようにします。
・ 関数の連続性の意味を確認し,連続関数の
基本
 的な性質と応用について学びます。





・ 関数の微分可能性の概念を理解し,連続性
との
 関連について学びます。
・ 導関数の記号の意味を確認し,積と商の微
分法
 の公式を用いて計算が正確にできるようにし
ます。
・ 合成関数や逆関数の微分法の演算技法を理
解
 するとともに,その応用についても学びま
す。
・ sinx,cosx,tanxの導関数を求め,身に
 つけます。さらに、自然対数を導入し,log
x,
 e^xの導関数を求め,対数・指数関数を含ん
だ
 関数を微分する計算を身につけます。更に,
対数
 を利用した微分法についても学びます。
・ 高次導関数の概念を学び,第2次導関数等
が
 求められるようにします。
・ 微分係数の幾何学的意味を再確認し,接線
の
 方程式とその応用について学びます。
・ 平均値の定理について,グラフでの考察を
通して
 その意味を理解するとともに,関数の増減を
調べる
 ことへの活用についても学びます。
・ 関数の増減とf’(x)の符号との関係を再
確認
 し,様々な関数について増減・極限を調べ
て,グラ
 フが描けるようにします。
・ 第2次導関数を用いて,グラフの凹凸・変
曲点・
 極値を調べます。
・ 運動の速度・加速度を微分法を用いて求め
ます。
・ 導関数を用いて,1次近似式を導き関数の
近似値
 を求められるようにします。













中間考査(極限)






























期末考査(微分
法)
【課題・提出物等】
・ 授業中に配布する演習プリント
・ 教科書の節末・章末の問題,傍用問題集の指定された問題についての課題
【第1学期の評価方法】
1 定期考査の成績
定期考査においては,知識・理解に偏ることなく,数学的な考え方,表現・処理をみるための問題も出題しま
す。

2 学習態度等の平常点
(1)各単元や各時限などの学習過程で,評価の観点の4項目について,生徒の良い点や,進歩の状況などを評
価します。
(2)演習ノート・レポートの提出状況・課題テストの成績

上記,1,2の状況を踏まえ,総合的に評価します。
学期
第6章 積分法
1.不定積分
(1)不定積分
(2)置換積分法と部分積分法
2.定積分
(1)定積分
(2)定積分と微分
(3)区分求積法と定積分
3.面積
(1)面積
4.体積
(1)体積
(2)回転体の体積
5.曲線の長さ
(1)曲線の長さ
(発展:微分方程式)









数学Ⅲの内容の総復習
・ 微分法の逆演算としての不定積分を再確認
し,
 積分定数の意味について考えます。
・ 置換積分法と部分積分法の原理と具体的方
法に
 ついて学び,それらの計算が適確にできるよ
うに
 します。
・ いろいろな関数について不定積分の公式を
活用
 できるようにします。
・ 不定積分をもとにして,いろいろな関数の
定積
 分の計算ができるようにします。特に置換積
分法
 の計算技法について、具体的な例を学びま
す。
・ 上端が変数である定積分の表す関数を微分
する
 ことにより,定積分と微分の関係とその利用
につ
 いて学びます。
・ 区分求積法と定積分の関係を学び,これを
もと
 にして定積分を用いて数列の和の極限や不等
式の
 証明ができるようにします。
・ 色々な図形の面積を定積分により計算でき
る
 ことを学びます。
・ 立体図形の体積も平面による切り口の面積
を
 用いて定積分で計算できることを学びます。
 次いで,回転体の体積を求めます。
・ いろいろな曲線の長さを積分を用いて求め
ます。




・数学Ⅲの全範囲の内容を、入試問題を通して
演習
を行います。












中間考査
(積分法)






期末考査
(総合問題)



【課題・提出物等】
・ 授業中に配布する演習プリント
・ 教科書の節末・章末の問題,傍用問題集の指定された問題についての課題
・ 長期休業中の課題
【第2学期の評価方法】
1 定期考査の成績
定期考査においては,知識・理解に偏ることなく,数学的な考え方,表現・処理をみるための問題も出題しま
す。

2 学習態度等の平常点
(1)各単元や各時限などの学習過程で,評価の観点の4項目について,生徒の良い点や,進歩の状況などを評
価します。
(2)演習ノート・レポートの提出状況・課題テストの成績

上記,1,2の状況を踏まえ,総合的に評価します。
学期
なし
なし  
なし
【課題・提出物等】
なし
【第3学期の評価方法】
なし
【年間の学習状況の評価方法】
下記の4つの観点から評価した1学期,2学期の成績を総合し,年間の成績とします。

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
・数学的な活動を通して,数列・関数の極
限,微分法とその応用,積分法とその応用に
おける考え方や体系に関心を持ったか。
・数学的な見方や考え方のよさを認識し,
それらを事象の考察に活用しようとしている
か。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート
○ 演習ノート提出    
思考・判断・表現
・数学的な活動を通して,数列・関数の極
限,微分法とその応用,積分法とその応用に
おける数学的な見方や考え方を身につけた
か。
・事象を数学的にとらえ,論理的に考えると
ともに,思考の過程を振り返り多面的・発展
的に考えているか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート
○ 演習ノート提出    
資料活用の
技能・表現
・数列・関数の極限,微分法とその応用,
積分法とその応用において,事象を数学的に
考察し,表現し処理する仕方や推論の方法を
身につけ,的確に問題を解決できるか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート
○ 演習ノート提出    
技能および知識・理解
・数列・関数の極限,微分法とその応用,積
分法とその応用における基本的な概念,原
理・法則,用語・記号などを理解し,基礎的
な知識を身につけているか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート
○ 演習ノート提出    

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
(1) 必ず家庭学習をしてください。
 授業で習ったことは必ず自宅でもう一度復習するようにしてください。習ったことをそ
のままにしていては、時間が経つうちに忘れていきます。次の授業までに習ったことは必
ず定着させるようにしてください。

(2) 必ず自分で解いてください。
 数学の勉強をする際、いきなり答えを見てわかった気になるような勉強はしないでくだ
さい。数学の勉強は自分の頭と手を使って考えることに意味があります。必ずノートと鉛
筆を用意して、丁寧に計算をしながら解くようにしてください。

(3) 計算力をつけてください。
 数学において、まず要求されるのは「計算力」です。計算力がつかなければ、たとえ考
え方が理解できたとしても、正しい答えにたどり着くことができません。特に数学Ⅲの場
合、長く複雑な計算式を扱うことが多くなります。どんなに複雑な式でも最後まで解き切
るだけの計算力を身に着けてください。そのためには、毎日机に向かって計算問題を解く
ようにしてください。継続することは大変なことですが、続けていけば必ず力がついてい
きます。

(4) 簡単に諦めないでください。
 数学の勉強をしていると、問題が解けない、といったことが多々あります。そのとき、
分からないからといって、簡単に投げ出さないことです。分からない問題に対してどう向
き合うか、といった態度が数学の勉強では必要です。たとえその問題が解けなかったとし
ても、考える過程は決して無駄にはなりません。どうしても分からない問題があったら、
必ず数学科の先生に質問し、疑問点を解消するようにしてください。そして、それをもう
一度最後まで自分の手で解き切るようにしてください。
分からないことをそのままにしてしまうのが一番良くないです。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
(1) 日々の授業を大切にしてください。
ア 学習の基本はなんといっても授業です。授業には常に真剣な気持ちで取り組みましょ
う。
イ 当たり前のことですが,始業のチャイムが鳴るまでに次の授業の準備をし,着席して
待機していましょう。
ウ 授業で学習した内容は必ず復習をするようにしましょう。

(2) 成績について
ア 数学の場合,定期考査以外にも夏に課題テストを行いますが,これらの点数も評価の
対象となります。
イ 学期・学年の評価は,試験結果だけではなく,普段の授業態度や,課題の提出状況等
を平常点として加味し,評価するものとします。
その他のアドバイス
この「数学Ⅲ」は、「数学Ⅱ」の微分・積分の分野を理論的に発展させ,高い見地にたっ
て学習し,これを各方面に応用してゆく科目です。ここで学習した内容は、将来大学で学
ぶ「微分積分学」「常微分方程式論」等につながっていきます。