私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「科学と人間生活(1年商業科)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
商業科・1年・KL

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
1. 基本的な概念や原理・法則を理解する。
2. 自然の事物・事象についての観察,実験や課題研究などを行い,自然に対する関心や探
 究心を高める。
3. 科学的な自然観を育成する。
4.現在及び将来における科学の課題と身近な人間生活との関わりについて考察し,環境問
 題などへの理解を深める。
使用教科書
科学と人間生活 新訂版
副教材
科学と人間生活 新訂版 演習ノート

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
1章 科学と技術の発展
 1.科学と技術の始まり
 2.生物学と医療
 3.化学の魅力-元素から地球環境まで-
	
2章 光や熱の科学
 1節 光の性質とその利用
  1.光の直進性と反射"	
 2.光の屈折	
 3.レンズと像	
 4.光のスペクトルと電磁波	
 5.光の回折と干渉	
 6.光の偏光性	
 7.電磁波で見る	
 8.光と技術の発展
	
 2節 熱の性質とその利用
 1.ものの温度"	
 2.熱平衡	
 3.熱容量・比熱	
 4.仕事と力学的エネルギー	
 5.熱,仕事とエネルギー	
 6.エネルギーの変換と保存	
 7.不可逆変化と熱機関	
 8.エネルギーの利用
	



















































3章 物質の科学
 1節 材料とその再利用
 1.物質のなりたち"	
 2.セラミックス	
 3.金属の用途と製錬	
 4.金属の特性	
 5.プラスチック	
 6.プラスチックの分類とその他の高分子化合物
 7.プラスチックのリサイクルと新素材
	
 2節 食品と衣料
 1.食品"	
 2.糖類	
 3.油脂の構造と性質	
 4.アミノ酸とタンパク質	
 5.酵素	
 6.衣服を構成する繊維	
 7.天然繊維と再生繊維	
 8.合成繊維	
・現代の科学技術文明が科学によって支えられ,発
展してきたこと,科学技術と科学を切り離して考え
ることができないことを理解させる。	
・医療の発展について,歴史的な流れを追いながら
考察させる。
・病気の理解と医療の発展が,生物学と密接に関わ
っていることを理解させる。
・古代より考えられていた物質の成り立ちについて
歴史的な流れを追いながら考察させる。
・歴史的な経過と共に,化学の基本を紹介する。
・科学技術の発達により人類によって生み出された
人工の物質について考えさせる。	
・光の直進性について,観察を通して学習させ,光
を直線で表現できることを理解させる。
・光の反射の法則を実験によって理解させるととも
に,乱反射によって身の回りを見ることができるこ
とを理解させる。	
・屈折の法則を理解させるとともに,屈折現象から
光の進む物質が異なることを意識させる。
・屈折を利用して,レンズがつくられていることを
理解させる。	
・凸レンズを通る物体からの光の関係を学習させ,
おのおののレンズでできる像について理解させる。
・白色光の分散は,光の性質によってでき,それに
よってできるスペクトルは,光の波長によることを
理解させる。
・可視光は電磁波の一種であり,また,電磁波は波
長の違いによって様々に利用されていることを学習
させる。	
・波の特性としての回折と干渉について,実験を通
して学習させ,光が波であることを理解させる。	
・偏光について,光が波であることから理解させ
る。
・物質と偏光との関係を実験を通して学習させ,そ
の利用について理解させる。
・光を使っていろいろな物を見ることができること
と,光は電磁波の一種であることから,電磁波を使
って様々なものを見ることができることを理解させ
る。	
・光で物を見るだけではなく,その利用の歴史を知
ることで,情報伝達の手段として役立っていること
を理解させる。
・光に関わる技術の進歩により,幅広く利用されて
いることを学習させる。	
・温度は物に関わる量であることを物をつくる分
子
・原子の熱運動と結びつけて理解させる。   
・熱はものが持つ量ではなく,温度の異なる物体ど
うしが接触したときに移動する量であることととも
に,熱平衡について理解させる。
・熱の移動形態に種類があることを,体験から理解
させる。	
・物質の熱容量・比熱,熱量の保存について実験を
通して理解させ,身の回りにある物質がこれらと関
係し,利用されていることに気付かせる。	
・力学的エネルギーと仕事との関わりについて理解
させる。
・力学的エネルギー保存の法則について実験を通し
て理解させる。
・エネルギーの増減に関し,歴史的経過を学習させ
る。
・断熱膨張・圧縮などにより,仕事と熱,エネルギ
ーの関係を理解させる。
・内部エネルギーを実験によって理解させる。	
・エネルギーには様々な形があり,互いに変換する
ことを簡単な実験によって理解させる。また,エネ
ルギーが全体として保存されることを理解させる。
・エネルギー変換を利用する技術が様々な分野で発
展していることを学習させる。	
・力学現象は可逆的であるが,身の回りの具体的事
実から熱現象は不可逆的であることを理解させる。
・熱機関はその効率が高められ,発展してきたが,
永久機関は不可能であることを理解させる。	
・人類の歴史はエネルギー確保の歴史であることを
知り,そのための技術を発展させてきたことを知る
とともに,問題点も抱えていることを理解させる。



・身の回りの天然の物質や人工の物質がどのような
成り立ちでできているか確認させる。
・物質の最小単位である原子は約百種しかないが,
組み合わせにより非常に多くの物質が生まれ,性質
も決定されることに気付かせる。	
・セラミックスは,古代から利用されている土器か
ら現代の最先端の技術までを結びつけられることを
理解させる。
・原料を変化させることにより,使用場面に応じた
材料として現代生活に貢献していることを理解させ
る。 	
・金属は古くから青銅器時代・鉄器時代と文化を創
り出すほど我々の生活になじみ深いものであること
に気付かせる。
・鉄・アルミニウム・銅などがどのようにしてつく
られているか製錬法にも触れて理解させる。"	
・金属がどのような場面で使用されているか,使用
例を考えて学習させる。
・金属の利用や腐食の防止について,金属の性質に
関連して考えさせる。	
・プラスチックは人工的に作り出された材料である
ことに気付かせる。
・プラスチックの性質・特徴について学習させる。
・原料や製造方法を変えることにより様々な特性を
持ったプラスチックが製造できることに気付かせ,
その用途特徴について理解させる。
・プラスチックに含まれる成分の違いや,構造の違
い,安全性についても言及する。	
"・プラスチックの原料である石油資源は限りがあ
り,その有効利用が必要であることに気付かせる。
・技術の向上によりある性質に特化させたプラスチ
ックを製造できることを紹介し,我々の生活に役立
っていることを学習させる。"	
・食品を構成するおもな成分である炭水化物・タン
パク質・脂質の性質や特徴を理解させる。
・その他ミネラル,ビタミンについても触れる。	
糖類(炭水化物)の種類を説明し,糖類がどのよう
なものに含まれているか理解させる。
・生体内での代謝にも触れ,エネルギー源として重
要であることに気付かせる。
"・油脂は生体のエネルギー源でありまた,生体内に
蓄積されていて生命の維持に欠かせないものである
ことを学習させる。
・油脂の構造とその特徴を理解させる。	
・タンパク質を構成するアミノ酸の構造と特徴を理
解させる。
・アミノ酸の重合体であるタンパク質についてその
構造と性質を学習させる。	
・酵素の種類と働きを日常生活と関連付けて理解さ
せる。
・酵素がタンパク質でできていることから,どのよ
うな特徴を持っているかに触れる。	
・天然の繊維とその特徴を生かして人工的につくら
れた化学繊維があることを説明し,その分類を理解
させる。	
・天然の繊維には植物性のものと動物性のものがあ
り,それぞれに特徴があることを学習させる。
・再生繊維は天然繊維の不都合な部分をうまく改良
したものであることを理解させる。	
・合成繊維(化学繊維)は重合によってつくられた
ものであり,いろいろな種類が存在することを理解
させる。
・技術の発達により様々な加工ができることにも言
及する。	















中間考査








































































期末考査
【課題・提出物等】
授業ノート・演習ノート
【第1学期の評価方法】
考査・平常点
学期
4章 生命の科学 
 1節 生物と光
 1.光合成	
 2.光合成と光の色	
 3.光の強さと光合成速度	
 4.植物の生育と光	
 5.動物の行動と光	
 6.眼の構造と働き
	
 2節 微生物とその利用
 1.微生物の発見	
 2.いろいろな微生物	
 3.発酵と腐敗	
 4.発酵の利用	
 5.微生物と医薬品	
 6.微生物と水の浄化	
 7.自然界における微生物の役割
	











































5章 宇宙や地球の科学
 1節 身近な天体と太陽系における地球
 1.宇宙から地球を眺める	
 2.地球から見た天体の動き	
 3.時間と暦	
 4.惑星 地球の発見	
 5.太陽系の構成	
 6.太陽系の広がり	
 7.水の惑星 地球	

 2節 身近な自然景観と自然災害
 1.自然景観のでき方	
 2.地域の自然景観	
 3.日本の自然の特徴	
 4.日本列島をつくった作用	
 5.地震・火山のメカニズム	
 6.地震災害・火山災害と防災	
 7.気象災害と防災	
・光合成の場である葉緑体の存在について,観察を
通して学習させる。
・光合成の概要および光合成産物の行方について理
解させる。	
・光の吸収に関わっている光合成色素の種類につい
て,実験を通して理解させる。
・身の回りに見られる葉の色は様々であり,色素の
種類に関わっていることに気付かせる。	
・光の強さと光合成速度の関係について学習させ,
光補償点や光飽和点があることを理解させる。
・植物の中には,陽生植物や陰生植物があることに
ついても学習させる。	
・植物には,光屈性があることを,発芽したダイコ
ンなどを用いた実験を通して理解させる。
・開花のしくみに光が関わっている植物があること
を学習させる。
・季節変化と植物の花芽形成について学習させる。
・光走性を持つ生物の行動を,実験を通して理解さ
せる。
・1日の明暗変化や季節変化が動物の行動に影響し
ていることを理解させる。
・日光がヒトの健康に役立つことも学習させる。	
・ヒトの眼の構造や,光刺激を受けてから脳に情報
が伝わるまでの経路を理解させる。
・明暗への順応や遠近調節などについて,実験を通
して理解させる。	
・微生物発見の歴史について学習させるとともに,
パスツールがどのようにして生物が自然発生しない
ことを証明したかについても理解を深めさせる。	
・空気中の微生物の培養や水中の微生物の観察を通
し,身近にいろいろな微生物がいることを理解させ
る。
・地球上のあらゆる場所に微生物がいることを学習
させる。また,微生物の種類について理解させる。
・発酵食品中の微生物の観察を通し,発酵が私たち
の生活に深く関わっていることを理解させる。
・腐敗も微生物の働きによっていることを理解さ
せ,腐敗を防ぐための食品の保存方法についても考
えさせる。	
・アルコール発酵や乳酸発酵の実験を通し,使われ
る物質や生産される物質について理解させる。
・大豆を用いた発酵食品には,みそ・しょう油・納
豆など,日本の代表的な食材があることについても
学習させる。	
・微生物は,医薬品を作ることに役立っていること
を,ペニシリン発見にも触れながら理解させる。
・遺伝子組換えによりつくられる医薬品があること
や,ワクチンが病気の予防に役立っていることを学
習させる。	
・下水処理の仕組みを学習させ,下水処理には微生
物の働きが関わっていることを理解させる。
・下水処理に使われる活性汚泥中の微生物の観察を
通し,活性汚泥について理解を深めさせる。
・空気中の微生物が有機化合物を分解することを,
実験を通して理解させる。
・生態系での物質循環に微生物がどのように関わっ
ているかを学習させる。	



・太陽系の中での地球について,月との対比などか
ら地球の特異性に気付かせる。         
・宇宙的視点から見た太陽系の中での地球の運動の
様子を概観させる。	
・太陽や星の天球上の日周運動や年周運動を,地球
の自転運動と公転運動から理解させる。
・太陽の高度による太陽の放射エネルギーの変化を
観察・実験を通して理解させる。	
"・太陽の天球上の運行や月の満ち欠けの周期性が時
や暦など人間生活に深く関わっていることを学習さ
せる。
・日頃使っている時間や暦が地球の自転運動と公転
運動に関連していることを理解させる。	
・太陽や星の見かけの運動を説明するのに,天動説
から地動説へと変わった歴史的な事項に触れつつ,
地球が太陽系の中の惑星の1つであることを学習させ
る。	
・太陽系を構成する惑星の特徴を学習させる。
・地球と他の惑星との違いを,サイズ,密度,表面
の様子などで比較することで地球の特徴をとらえさ
せる。	
・太陽系の天体の広がりを惑星模型などを使いなが
ら学習させる。	
・地球が太陽系の中で唯一,生命の存在できる星と
なっている理由を,水が液体として存在できる条件
を考え,金星や火星と対比することで理解させる。
・太陽の放射エネルギーが地球の大気や海水など,
人間生活に影響を及ぼしていることに触れる。"	
・身近な自然景観が風化作用,浸食作用,運搬作
用・堆積作用などにより,長い時間の中で変化して
きたことを理解させる。	
・身近な地域の自然景観を,流水の作用など大地を
平坦にする変化と,火山活動など大地の起伏を大き
くする変化と関連付けて学習させる。	
・日本列島の地質的な特徴としての「島弧ー海溝系」
や気候的な特徴について学習し,現在の日本列島の
特徴を概観させる。	
・地震や火山分布がプレートの境界面で起きている
ことを理解させる。
・日本列島の地質的な特徴をプレートテクトニクス
等で理解させる。
・地震のメカニズムを学習し,地域において将来お
こる可能性のある地震のタイプや規模などを確認さ
せる。
・火山のメカニズムを学習し,火山災害を引き起こ
す現象を理解させる。	
・地震災害や火山災害を学習させる。
・「観察・実験1 地域の地震ハザードマップの調
査」を行ったり,火山ハザードマップを活用したり
して,防災について考えさせる。	
・気象災害を学習し,地域で過去に起きた災害など
を調査させる。	











中間考査































































期末考査
【課題・提出物等】
授業ノート・演習ノート
【第2学期の評価方法】
考査・平常点
学期
6章 科学・技術の進歩と人間生活
 (課題研究等)	
・科学技術の成果と今後の課題について考察し,科
学技術と人間生活との関わりについて探究させる。
・課題研究にあたっては,授業で学んできたことだ
けでなく,日常的な生活にも目を向けて課題の設定
ができるようにする。
・探究の仕方を学ぶことも大きな目標なので,様々
な方法で研究し,発表をすることができるようにす
る。	
学年末考査
【課題・提出物等】
授業ノート・演習ノート
【第3学期の評価方法】
考査・平常点
【年間の学習状況の評価方法】
考査・平常点

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
・自然の事物や現象に関心を持ち,科学の発展と
人間生活との関係を意欲的に調査・探究して,科
学的な見方・考え方を身につけようとする。
出席状況や授業中の発問,問題解決への積極
的な取り組みなど,定期考査を含めて総合的
に判断します。
思考・判断・表現
・自然の事物や現象に問題を見出し,実験・観
察・調査を行うとともに,ものごとを実証的・論
理的に考察したり分析したりすることにより,総
合的に判断し,それを表現することができる。
出席状況や授業中の発問,問題解決への積極
的な取り組みなど,定期考査を含めて総合的
に判断します。
資料活用の
技能・表現
・自然の事物や現象に関する調査・実験・観察の
技能を習得するとともに,自然の事物現象や科学
と人間生活の関係を調査研究する方法を身につ
け,それらの過程や結果,そこから導き出された
考えを的確に表現することができる。
出席状況や授業中の発問,問題解決への積極
的な取り組みなど,定期考査を含めて総合的
に判断します。
技能および知識・理解
・自然の事物や現象に関して,人間が長い時間を
かけて獲得した知識の有用性を理解するととも
に,知識を獲得する方法についても理解し,適切
に利用することができる。
出席状況や授業中の発問,問題解決への積極
的な取り組みなど,定期考査を含めて総合的
に判断します。

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
身のまわりの生活で起きている大半の事柄は理科の知識で解決できます。日々の生活に「何故起きて
いるのか?」という疑問を持ちながら、授業にのぞむと一層理解が深くなります。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
当たり前のことですが、しっかりと授業に集中し、わからないことがあれば授業が終わった後に聞き
にきてください。
その他のアドバイス
特になし