私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

理科 「生物基礎(1年普通科・特進コース)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科・1年・J組(特進コース)

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
生物や生物現象について基本的な概念や法則を学ぶことで,科学的な自然観を育成する。
また,生物や生物現象について,探求する能力と態度を養う。さらに,センター試験や一
般試験に対応できる知識を身につける。
使用教科書
第一学習社「高等学校 改訂 生物基礎」
副教材
第一学習社「2020 セミナー 生物基礎」

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
第1編 生物と遺伝子  
 第1章 生物の特徴  
  第1節 生物の多様性と共通性
  ① 生物の多様性
  ② 生物の共通性と多様性の起源
  ③ 細胞の構造にみられる共通性

  第2節 細胞とエネルギー  
  ① 代謝とエネルギー
  ② 代謝と酵素
  ③ 光合成
  ④ 呼吸
  ⑤ ミトコンドリアと葉緑体の起源
 第2章 遺伝子とその働き  
  第1節 遺伝子の本体の構造
  ① 遺伝子の本体―DNA
  ② DNAの構造

  第2節 遺伝情報の複製と分配
  ①細胞周期

  第3節 遺伝情報とタンパク質の合成
  ① 遺伝情報とタンパク質
  ② タンパク質
  ③ タンパク質の合成
  ④ 遺伝子とゲノム
  ⑤ 細胞内での遺伝子の発現
第2編 生物の体内環境の維持
 第3章 生物の体内環境
  第1節 体液とその働き
  ① 体内環境と恒常性
  ② 体液と物質の輸送
  ③ 体液成分の濃度調節
  ④ 肝臓の働き
・地球上のさまざまな環境には,多種多様な生物が
生息しており,生物は多様であることを理解しま
す。
・現生生物の共通の祖先について,推測される特徴
を理解します。
・共通の祖先が長い年月の間に変化して,生物が多
様化したことを理解します。
・生物が共通にもつ特徴を理解します。
・細胞には原核細胞と真核細胞があること,及びそ
れぞれの特徴について理解します。
・真核細胞において,核・細胞膜・細胞質基質・ミ
トコンドリア・葉緑体・液胞・細胞壁の構造と機能
の概要を理解します。
・代謝には同化と異化があること,また,代謝に伴
うエネルギーの移動にはATPが関わっていること
を理解します。
・酵素の基本的な特徴について理解します。
・光合成は,光エネルギーによってATPをつく
り,このエネルギーによって有機物を合成する過程
であることを理解します。
・呼吸は,酵素の働きによって有機物が段階的に分
解されてエネルギーが取り出され,ATPがつくら
れる過程であることを理解します。
・ミトコンドリアと葉緑体の起源について,細胞内
共生説の考え方を理解します。

・ヌクレオチドの構造および,塩基の相補性にもと
づくDNAの二重らせん構造について理解します。
・多細胞生物では,一部の細胞が分裂して増殖して
いること,分裂している細胞には細胞周期がみられ
ることを理解します。
・間期の間にDNAが複製され,細胞分裂を通じて
均等に分配されることで,細胞分裂の前後で遺伝情
報の同一性が保たれることを理解します。
・細胞の分裂の各過程で起こる現象を理解します。
・生体内には多種多様なタンパク質が存在し,酵素
などとしてさまざまな働きをしていることを理解し
ます。
・タンパク質は,多数のアミノ酸が鎖状につながっ
てできたものであることを理解します。
・DNAの塩基配列がmRNAの塩基配列に写し取
られ(転写),これがアミノ酸配列に置き換えられ
る(翻訳)流れを理解します。
・遺伝子はゲノムの一部であることを理解します。
・全遺伝子が常に発現してはいないことを理解しま
す。

・恒常性と体液の種類である血液,組織液,リンパ
液について理解します。
・ヘモグロビンによる酸素の運搬を中心に,血液の
働きと恒常性について理解します。
・血液凝固のしくみと体内環境の保持との関係につ
いて理解します。
・心臓の構造,血液循環の経路について理解しま
す。
・腎臓の働きによって,体液中の塩類などの濃度が
保たれていることを理解します。
・無脊椎動物,魚類の体液の濃度調節について理解
します。
・肝臓でさまざまな物質の合成・分解・貯蔵が行わ
れて,体液の成分が保たれていることを理解しま
す。
中間考査、
及び期末考査
【課題・提出物等】
ノート、プリント
【第1学期の評価方法】
定期試験および提出物、授業への参加度を総合的に評価します。
学期
第3章 生物の体内環境
  第2節 体内環境の維持のしくみ
  ① 自律神経系の働きと構造
  ② 内分泌系による調節
  ③ 自律神経系と内分泌系による調節
 
  第3節 生体防御
  ① 皮膚や粘膜での物理的・化学的な生体防
    御
  ② 免疫にかかわる細胞と器官
  ③ 自然免疫
  ④ 獲得免疫
  ⑤ 自然免疫と獲得免疫の特徴
  ⑥ 免疫に関する身近な疾患
  ⑦ 免疫と医療
第3編 生物の多様性と生態系
 第4章 バイオームの多様性と分布
  第1節 植生と遷移
  ① 植生
  ② 植生の遷移

・動物の体液の濃度が,自律神経系とホルモンの働
きによって調節されていることを理解します。
・自律神経系には交感神経と副交感神経があり,こ
れらが拮抗的に働くことによって体内環境を調節し
ていることを理解します。
・簡単な運動を行い,心臓の拍動数が意思とは無関
係に調節されていることを確認します。
・ヒトの内分泌腺の種類と構造,そこから分泌され
るホルモンの作用について理解します。
・ホルモン分泌のフィードバック調節について理解
します。
・血糖量の調節について,自律神経系とホルモンの
相互作用を中心に理解します。
・体温調節のしくみについて理解します。
・皮膚や粘膜による生体防御について理解します。
・免疫を担う細胞や器官の種類と働きの概要を理解
します。
・自然免疫のしくみを理解します。
・抗体の特徴について理解します。
・リンパ球による抗原認識,免疫寛容のしくみを理
解します。
・獲得免疫は自然免疫によって誘導されることを理
解します。
・獲得免疫による病原体排除の流れを理解します。
・二次応答や拒絶反応が起こるしくみを理解しま
す。
・自然免疫と獲得免疫の特徴を理解し,お互いに活
性化し合って病原体を排除することを理解します。
・アレルギーや自己免疫病,エイズなど身近な免疫
に関する疾患の生じるしくみを理解します。
・免疫のしくみを用いている予防接種や血清療法の
しくみ,近年では抗体医薬が用いられていることを
理解します。
	
・植生は,相観によって森林・草原・荒原に大別さ
れることを理解します。
・森林には階層構造がみられ,階層によって光など
の環境が異なることを理解します。
・光の強さと光合成速度の関係を,グラフを通じて
理解します。
・陽生植物,陰生植物の光合成速度の特徴を理解し
ます。
・樹木の構造を観察し,光環境と葉の付き方との関
係を理解します。
・植生は不変ではなく,長期的には移り変わってい
ることを理解します。
・乾性遷移のモデルについて,土壌の形成や光環境
の変化などの環境形成作用に注目して理解します。
・実際の遷移は,モデルのとおりには進まないこと
を,先駆植物などを例に理解します。
中間考査、
及び期末考査
【課題・提出物等】
ノート、プリント
【第2学期の評価方法】
定期試験および提出物、授業への参加度を総合的に評価します。
学期
 第4章 バイオームの多様性と分布
  第2節 バイオームとその分布
  ① バイオーム
  ② 世界のバイオーム
  ③ 日本のバイオーム

 第5章 生態系とその保全
  第1節 生態系
  ① 生態系の成り立ち
  ② 生態系内の物質循環とエネルギーの流れ
   第2節生態系のバランスと保全
  ①生態系のバランス
  ②人間活動による生態系への影響
  ③生態系の保全


・バイオームの概念を理解し,陸上にはその地域に
生育する植物を基盤としたさまざまなバイオームが
成立することを理解します。
・気温と降水量の違いによってさまざまなバイオー
ムが成立していることを理解します。
・地球上には,それぞれの場所に適応した植物が生
育し,いろいろなバイオームが成立していることを
理解します。
・世界のバイオームの種類と分布を理解します。
・日本におけるバイオームの水平分布と垂直分布を
理解し,各バイオームの特徴的な植物種を理解すし
ます。
・生態系の構成について理解します。
・地球上には,陸上以外にもさまざまな生態系がみ
られることを理解します。
・生物は,食物連鎖(食物網)によってつながって
いることを理解します。
・生態ピラミッドや物質の生産と消費の関係を理解
します。
・生態系内における炭素と窒素の循環を理解しま
す。
・土壌中の菌類や細菌が有機物を分解していること
を実際に確認します。
・生態系に入った光エネルギーは,化学エネルギー
に変換され,食物連鎖を通じて生物の間を移動して
最終的には熱のエネルギーとして生態系外に放出さ
れることを理解します。


学年末考査
【課題・提出物等】
ノート、プリント
【第3学期の評価方法】
定期試験および提出物、授業への参加度を総合的に評価します。
【年間の学習状況の評価方法】
定期試験および提出物、授業への参加度を総合的に評価します。

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
自然の事物・現象に関心や探究心をもち,意欲的
にそれらを探究しようとするとともに,科学的態
度を身に付けているか。
授業時の発問に対する応答や提出物,定期
考査から評価します。
思考・判断・表現
自然の事物・現象の中に問題を見いだし,探究す
る過程を通して,事象を科学的に考察し,導き出
した考えを的確に表現しているか。
授業時の発問に対する応答や提出物,定期
考査から評価します。
資料活用の
技能・表現
実験の過程や結果を的確に読み取り,自然の事
物・現象を科学的に探究する技能を身に付けてい
るか。
授業時の発問に対する応答や提出物,定期
考査から評価します。
技能および知識・理解
自然の事物・現象について,基本的な概念や原
理・法則を理解し,知識を身に付けているか。
授業時の発問に対する応答や提出物,定期
考査から評価します。

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
理科は暗記科目ではありません。ある現象を覚えるためには、そのしくみや原因・背景を「理解」す
ることが大切です。そのため、授業中は、「流れ」を意識して学ぶようにしましょう。また、復習を
欠かさないようにし、配布されたプリントや副教材を有効に活用してください。そして、納得できな
い箇所については、担当教員に質問してください。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
日常生活で、生物に関係することで疑問を感じたこと、授業内容で不明な点があれば、そのままにせ
ずに積極的に質問して下さい。理解した気でいる人は成長できません。
その他のアドバイス
授業で取り扱った事項については、インターネット検索などを利用したり、図書館の本を利用して調
べるなどして、より深い知識を得るよう積極的に行動して下さい。生物は日常見られる事柄に密接に
関係しています。学んだ事柄を思い出し理解を深めてください。