私立 千葉商科大学付属高等学校  シラバス

数学科 「数学A(1年普通科進学クラス)」  単 位 数 2 単 位
学科・学年・組
普通科進学・1年・D〜I組 

1 学習の到達目標等

学習の到達目標
1 場合の数と確率,整数の性質,図形の性質について,概念を理解することを目指す。
2 場合の数と確率,整数の性質,図形の性質について,基礎的な知識の習得と処理技能
の習熟を目指す。
3 場合の数と確率,整数の性質,図形の性質について,数学的な見方や,考え方のよさ
を認識できることを目指す。
4 場合の数と確率,整数の性質,図形の性質について,事象を数学的に考察する能力
や,習得した知識,習熟した技能を的確に活用する能力を伸ばすことを目指す。
使用教科書
啓林館「数学A改訂版」
副教材
エディーノート 数学Ⅰ+A 問題集(啓林館)

2 学習計画及び評価方法等

(1) 学習計画等
学期 学 習 内 容 学 習 の ね ら い 備考(特記事項,
他教科との関連など)
学期
序章 集合

第1章 場合の数と確率 
 第1節 場合の数
  1 集合と要素の個数
  研究/3つの集合の要素の個数
    2 場合の数 
    3 和の法則
    4 積の法則
    節末問題



 第2節 順列・組合せ
  1 順列
    2 いろいろな順列
  3 組合せ
    4 同じものを含む順列
    研究/重複組合せ
    節末問題

 第3節 確率とその基本性質
  1 事象と確率
  2 確率の基本性質
    節末問題
 第4節 いろいろな確率
  1 独立な試行
  2 反復試行
  3 条件付き確率
  研究/原因の確率
     節末問題
     章末問題

高等学校における数学について,学習の意義や内容
を理解する。授業の進め方やノートの取り方,課題
の提出や評価の方法について確認する。

数え上げの原則や順列・組合せについて理解し,事
象を数学的に考察できるようにする。また,不確定
な事象を数量的にとらえることの有用性を認識する
とともに,事象を数学的に考察し処理する能力を養
い,確率を活用する能力を伸ばす。
 
(1) 場合の数
数え上げの原則として,和の法則と積の法則を確実
に理解する。
また,樹形図などを用いて基本的な個数処理につい
て学ぶ。

(2) 順列・組合せ
順列・組合せの数について学び,それを具体的な場
面に活用できるようにする。

(3) 確率とその基本性質
 試行や事象の考えを明確にして,確率の基本的な
法則をまとめ,余事象などについて理解する。

(4) いろいろな確率
  独立な試行とその繰り返しについて,身近な事
例をもとにして,確率の計算について理解を深め
る。
  また,条件付き確率について,具体例を通し
て,その意味を理解し,いろいろな条件付き確率を
求めることができるようにする。
中間考査










期期末考査
【課題・提出物等】
・ 授業中に配布する演習プリント       ・ 傍用問題集の指定された問題についての課題
・ 単元ごとに確認テスト
【第1学期の評価方法】
1 定期考査の成績(70%)
  定期考査においては,知識・理解に偏ることなく,数学的な考え方,数学的な技能をみるための問題も出題する。
2 学習態度等の平常点(30%)
(1) 授業時などの学習過程で,評価の観点の4項目について,良い点および伸長の状況などを評価する。
(2) 演習ノートやレポートの提出状況・課題テスト・小テストの成績などを評価する。
    (1),(2)を総合的に評価する。
学期
第2章 整数の性質
 第1節 約数と倍数
1 自然数の範囲での約数と倍数
  2 最大公約数と最小公倍数
    3 整数の除法と余りによる分類
   節末問題



 第2節 互除法と不定方程式
  1 最大公約数と互除法
    2 不定方程式
    節末問題


 第3節 整数の性質の活用
  1 分数と小数
  2 n 進法
    節末問題

研究[発展]/合同式
  章末問題

(1) 約数と倍数
  2,3,4,5,6,8,9の倍数の見分け方
を学ぶ。また,すべての整数は必ず素数の積に分解
されて,その表し方はただ1通りであることを理解す
る。さらに,整数を割った余りで分類する考えは,
倍数の考えをさらに発展させたもので,頻繁に現れ
るのでしっかり理解する。
(2) 互除法と不定方程式
素因数分解しにくい大きな素因数をもつ2つの整数
の最大公約数を求める最良の方法を学ぶ。さらに,
ユークリッドの互除法は多くの利用価値があること
を理解する。また,与えられた2数からユークリッ
ドの互除法を用いて最大公約数を求める手順の逆を
たどれば,その2数を用いて最大公約数が表せる。
二元一次不定方程式 では,特殊解を用いて一般解を
求めることを学ぶ。
また,ユークリッドの互除法を用いて, , が互い
に素であるときの特殊解の求め方を学ぶ。
(3) 整数の性質の活用
  いろいろな数を表す仕組みを学び,記数法や小
数(有限小数や無限小数)の性質を学ぶ。さらに,
10進法をはじめ,コンピュ-タの原理である2進法
などを学ぶ。





中間考査










期末考査











【課題・提出物等】
・ 授業中に配布する演習プリント       ・ 傍用問題集の指定された問題についての課題
・ 単元ごとに確認テスト
【第2学期の評価方法】
1 定期考査の成績(70%)
  定期考査においては,知識・理解に偏ることなく,数学的な考え方,数学的な技能をみるための問題も出題する。
2 学習態度等の平常点(30%)
(1) 授業時などの学習過程で,評価の観点の4項目について,良い点および伸長の状況などを評価する。
(2) 演習ノートやレポートの提出状況・課題テスト・小テストの成績などを評価する。
    (1),(2)を総合的に評価する。
学期
第3章 図形の性質
 第1節 三角形の性質
  1 直線と角
  2 三角形の重心・外心・内心・垂心
  研究/三角形の五心
3 チェバの定理とメネラウスの定理
4 三角形の成立条件
□	節末問題

第2節 円の性質
  1 円周角の定理とその逆
    2 円に内接・外接する四角形
    3 接線と弦のなす角
    4 方べきの定理
    5 2つの円の位置関係
□	節末問題
 第3節 作図
  1 作図
□	節末問題
研究/正五角形の作図

 第4節 空間図形
  1 平面と直線
  2 多面体
  研究/正多面体は5種類しかない
□	節末問題
◇	章末問題
三角形や円などの基本的な図形の性質についての理
解を深め,図形の見方を豊かにするとともに,図形
の性質を論理的に考察し処理できるようにする。
(1) 三角形の性質
  内角・外角の二等分線と辺の比,辺の長さと角
の大きさとの関係などを学ぶことにより,図形に対
する直観力・洞察力を養う。

(2) 円の性質
  円周角の定理とその逆,円に内接する四角形の
性質及び四角形が円に内接するための条件,円の接
線と接点を通る弦とのなす角の性質,方べきの定理
及び2つの円の位置関係について学び,それらを活
用できる
ようにする。

(3) 作図
ここでは,中学校での学習内容を踏まえ,線分を与
えられた比に内分する点や外分する点,与えられた
2つの線分の積や商の長さの線分の作図などを学
ぶ。

(4) 空間図形
   平面と直線の位置関係,平面と直線とのなす
角や三垂線の定理などを学ぶ。古代ギリシャのプラ
トンの時代から正多面体(プラトン図形という)が
5つしかないことが知られていたが,オイラ-の多
面体定理を学んで,その理由へつなげる。
学年末考査
【課題・提出物等】
・ 授業中に配布する演習プリント       ・ 傍用問題集の指定された問題についての課題
・ 単元ごとに確認テスト
【第3学期の評価方法】
1 定期考査の成績(70%)
  定期考査においては,知識・理解に偏ることなく,数学的な考え方,数学的な技能をみるための問題も出題する。
2 学習態度等の平常点(30%)
(1) 授業時などの学習過程で,評価の観点の4項目について,良い点および伸長の状況などを評価する。
(2) 演習ノートやレポートの提出状況・課題テスト・小テストの成績などを評価する。
(1),(2)を総合的に評価する。
【年間の学習状況の評価方法】
 下記の4つの観点から評価した1学期,2学期及び3学期の成績を総合し,年間の成績とする。

(2)評価の観点、内容および評価方法
評価の観点および内容 評価方法
関心・意欲・態度
数学的な活動を通して,場合の数と確率,整数の
性
質,図形の性質における考え方に関心をもつとと
も
に,数学的な見方や考え方のよさを認識し,それ
らを
事象の考察に活用しようとしているかどうか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート・小テスト
○ 演習ノート提出
思考・判断・表現
数学的な活動を通して,場合の数と確率,整数の
性
質,図形の性質における数学的な見方や考え方を
身に
つけ,事象を数学的にとらえ,論理的に考えると
とも
に,思考の過程を振り返り多面的・発展的に考え
てい
るかどうか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート・小テスト
○ 定期考査・課題テスト
資料活用の
技能・表現
  場合の数と確率,整数の性質,図形の性質にお
い
て,事象を数学的に考察し,表現し処理する仕方
や推
論の方法を身につけ,的確に問題を解決できるか
どう
か。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート・小テスト
○ 定期考査・課題テスト
技能および知識・理解
場合の数と確率,整数の性質,図形の性質におけ
る基
本的な概念,原理・法則,用語・記号などを理解
し,
基礎的な知識を身につけているかどうか。
○ 授業時の様子
○ 課題レポート・小テスト
○ 定期考査・課題テスト

3 担当者からのメッセージ

確かな学力を身に付
けるためのアドバイス
(1) 数学は楽しい  
   数学のおもしろさは,解までの道筋が論理的に明らかであいまいさがないことである。誰がみ
ても正
しいことは正しく,まちがっていることはまちがっている。このことが好きな人もいればそうでない
人もい
るだろう。しかし,はじめから苦手意識を持っていては,数学をおもしろいとは感じない。高校入学
をきっ
かけに,新鮮な気持ちで数学に取り組んでもらいたい。考えることは楽しい。よって,数学は楽し
い。
(2) 必ず予習・復習をしよう
   高校の数学は計算も重要だが,「なぜそうなるのか」の論理を理解しないと本当に理解したと
はいえ
ない。日々の授業で「わかった」と感じるためには,その前後に論理をじっくり考えるための時間が
必要で
ある。家庭学習で予習をやった上で授業に臨むと,授業の内容がわかりやすいはずである。授業は1
回目の
復習である。さらに,授業で理解できなかったところを友人にきいたり先生に質問して理解するよう
にした
り,もう一度自分で考えてみて理解しているかどうかを確認したりするとよい。きちんと復習するこ
とが次の
の授業内容の理解へつながっていく。
(3) 必ず自分で解こう
   数学の勉強では,答えを眺めてわかったつもりになっていても,実際に問題を解くと解けない
こと(書
(書けないこと)がよくある。確かにいちいち計算するよりも,解答を眺めて解法を理解し覚えてい
く作業の
の方が楽だし,とりあえず勉強した気分にはなる。しかし,それでは数学の力を伸ばしていくことは
難し
い。数学の勉強をするときには,必ずノートにきちんと計算したり図を描いたりしながら解いていく
ように
してほしい。そうすることで,自分自身が本当に理解できているかどうかを確認することができ,自
分の力を
を伸ばしていくことにつながっていく。
(4) 計算力をつけよう
   数学は論理と計算によって解を導くものである。論理を考えることは何より大切だが,計算が
きちん
とできないと解には到達しない。内容を理解した上で確実な計算力を養っていくことは数学ができる
ように
なるための必要条件である。自分の力で解いた問題の数は,決して嘘はつかないだろう。高い目的意
識を持
持って問題を解いていけば,必ず計算力は身についていくはずである。
(5) わからない問題でもあきらめない
 わからない問題にぶつかったとき,簡単にあきらめてはいけない。解けない問題を解こうとする過
程が大
切であり(解けなかったとしても,考える過程は決して無駄にはならない),それが本当の勉強であ
り力を伸
伸ばす源となる。難しい問題が解けたときは本当にうれしいものである。どうしてもわからない問題
があっ
たら,遠慮せずに質問に来ること。絶対にそのままにしておかないことが大切である。疑問点はその
日のう
ちに解決していくことを心がける。
授業を受けるに当た
って守ってほしい事項
(1) 授業を大切にする。
 ア 学習の基本は授業である。常に真剣な気持ちで取り組むこと。
 イ 予習→授業→復習のサイクルが大切。授業は1回目の復習という意識を持とう。
 ウ 始業のチャイムが鳴るまでに授業の準備をし,着席して待機していること。休み時間の過ごし
方が授
業の理解へとつながる。
(2) 成績について
 ア 定期考査以外にも課題テストを行い,これらの点数も評価の対象とする。
 イ 学期・学年の評価は,試験結果だけではなく,普段の授業態度や,課題の提出状況および小テ
スト等
を平常点として加味し,総合的に評価する。
その他のアドバイス
この「数学A」は,多くの高校生が学ぶ科目の一つで,将来,より高度な数学を学びたい人にとって
は,そ
の基礎・基本となる内容になっている。